
11月に玉ノ井を久しぶりに歩いた時感じたのは、何度行ってもこの辺りは本当に「ラビリンス(迷宮)」であり、すぐ迷ってしまう町だということだった。幾つか訪ねたい建物、現存するか確かめたい建物があって、うろうろしながら探すのだが、あれっと思うと先ほどと同じ路に出たりしてしまう。微妙にくねくねと曲がった細い路が多いせいもあるのだが。
それで、これは再訪する時用に、自分の覚え書き程度にでも地図をつくっておこうという気になった。
地図と言っても「極私的」なものである。
玉ノ井と言えば荷風の「墨東綺譚」なのだが、荷風の書いた戦前の玉ノ井と、戦後の玉ノ井特飲街は場所がややずれているのである。荷風が『断腸亭日乗』に自ら描いた玉ノ井周辺の地図があるが、それをまず参照し、次に現在の墨田区の住宅地図をトレースして重ねるように検証していった。現在玉ノ井を訪ねると、僅かにカフェー風の建築が残っているが、その場所は戦後玉ノ井のほうであり、荷風の時代の地域には、もうそれらしいものはほぼ残っていない。ここにあったのではという推測の域でしかないが、荷風が細かく書き入れていた目印の店なども記してみた。また、11月現在で確認できた建物の幾つかも記しておいた。
ただ、この私の地図に記された事項は、現在個人の住宅になっているものが多い。それでこのブログ上では、明確に読み取れる形にはしないでおいた。悪しからずご了承下さい。何人か同好の士にはこっそりお渡ししましたが、もしどうしても詳細を見たいという奇特な方、おられましたらこっそりと(笑)ご相談に応じます。
≪この記事へのコメント≫
>現代の玉ノ井。う~ん難しいですね。何処の町、ということはもう出来ないでしょう。その片鱗のようなものしかありませんしね。
もしかして荷風センセイ、香港とか上海の裏町まで行かれたりして。。。もう日本には、歩くべき所がなくなってしまったとお思いになるのではないでしょうかねえ。
もしかして荷風センセイ、香港とか上海の裏町まで行かれたりして。。。もう日本には、歩くべき所がなくなってしまったとお思いになるのではないでしょうかねえ。
ホント、ラビリンスでしたね~。
まして日も暮れ、路地が暗くなると、もう家々の見分けが付かず、“ラビリンス感”が倍増されました。
「濹東綺譚」と言えば、荷風が今生きていたら、どこを好んで歩くだろうか――と、しばしば想像します。
でも、売春防止法が施行されて、かつてのような売春窟は姿を消したことになっているので(事実、姿を消しました)、「現代の玉の井」なんて存在しないんですよね、きっと。
まして日も暮れ、路地が暗くなると、もう家々の見分けが付かず、“ラビリンス感”が倍増されました。
「濹東綺譚」と言えば、荷風が今生きていたら、どこを好んで歩くだろうか――と、しばしば想像します。
でも、売春防止法が施行されて、かつてのような売春窟は姿を消したことになっているので(事実、姿を消しました)、「現代の玉の井」なんて存在しないんですよね、きっと。
>よろしゅうございますとも、遊野さまは京都路地裏のエキスパートでいらっしゃいますから、恐れ多いのですが、のちほどこっそりマル秘でちら見せ・・・ではなくpdf版でど~んと(じょーだん、そんな大したもんじゃーアリマセンが)お送りします~。
まあ素敵~。
みたいみたいみたい
あらこっそりといわなくちゃいけなかったのか!
ではこっそりと
ちょっと、みせて
みたいみたいみたい
あらこっそりといわなくちゃいけなかったのか!
ではこっそりと
ちょっと、みせて
>どうもありがとうございます。
この地図のあたりは、東京でも異色の場所というか、まあイマドキのコトバで言えばディープな(しかしかなり寂れた)町です。
Porco Rossoさんならきっと味わえる町だと思います。冬日の似合う町のような気もします。お使いのカメラにも合いそうな感じがします。
この地図のあたりは、東京でも異色の場所というか、まあイマドキのコトバで言えばディープな(しかしかなり寂れた)町です。
Porco Rossoさんならきっと味わえる町だと思います。冬日の似合う町のような気もします。お使いのカメラにも合いそうな感じがします。
歩いてみたくなります。記事を読んでいると。
地図、ポチッとおしたら、小さいのが。
頑張って拡大してみてみます。
迷ってしまう場所。辿り着いた建物。
どんなのが見る事ができるのでしょう。
地図、ポチッとおしたら、小さいのが。
頑張って拡大してみてみます。
迷ってしまう場所。辿り着いた建物。
どんなのが見る事ができるのでしょう。
>カークさんも同志ですから、後ほどクリスマスプレゼントに(笑)pdfお送りいたしますですよ。
荷風の足跡を辿り始めると、面白くてついつい病みつきになりますが、ほんと、よく歩くひとなので、キリがありません。でもどこから何に乗って、何処から乗り換え、何処の店のところを曲がる・・・とか逐一詳しいので、こちらの想像力(妄想力)もたくましくなるような気がします。
荷風の足跡を辿り始めると、面白くてついつい病みつきになりますが、ほんと、よく歩くひとなので、キリがありません。でもどこから何に乗って、何処から乗り換え、何処の店のところを曲がる・・・とか逐一詳しいので、こちらの想像力(妄想力)もたくましくなるような気がします。
>ちはるさん、お久しぶりです~。お変わりないですか?
地図部分は、住宅地図の拡大コピーをトレースしました。ワタシはまだまだアナログで、ITツールを使えないので仕方なく、こういうやり方になってしまうっていうところもあります。まあでも、地図描きは結構好きなので、やり始めるとハマって根を詰めてしまいますね~。
(まあ、遊びですから好いんでしょうがね、お仕事となると大変でしょうね。)
あ~誰か(アソビ半分の)地図描きの仕事下さい~。(無いない)
地図部分は、住宅地図の拡大コピーをトレースしました。ワタシはまだまだアナログで、ITツールを使えないので仕方なく、こういうやり方になってしまうっていうところもあります。まあでも、地図描きは結構好きなので、やり始めるとハマって根を詰めてしまいますね~。
(まあ、遊びですから好いんでしょうがね、お仕事となると大変でしょうね。)
あ~誰か(アソビ半分の)地図描きの仕事下さい~。(無いない)
すごく助かります。
荷風の足跡との組み合わせには本をきちんと
読んでチャレンジしたくなります。
いつもながらの手書きの味わいあるところ、
これも立派な作品だな~と思いました。
この冬に白い息を吐きながら散策してみよう。
荷風の足跡との組み合わせには本をきちんと
読んでチャレンジしたくなります。
いつもながらの手書きの味わいあるところ、
これも立派な作品だな~と思いました。
この冬に白い息を吐きながら散策してみよう。
neonさん、こんにちは。
こんな地図を私もつくろうとしています。
いえ、つくらなければならないのですが、
放置しています。
地図はトレースでしょうか。
どの程度書き込むかなど考えていくと非常にめんどくさく、ついITツールに頼ろうとするのですが、
やはり手にしたときはこういったものの方がいいですねぇ。
こんな地図を私もつくろうとしています。
いえ、つくらなければならないのですが、
放置しています。
地図はトレースでしょうか。
どの程度書き込むかなど考えていくと非常にめんどくさく、ついITツールに頼ろうとするのですが、
やはり手にしたときはこういったものの方がいいですねぇ。
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地図地図(ちず)とは、地球などの地表、あるいは架空の世界の全部または特定の一部分を縮小表現したものである。書店等で一般的に入手可能な地形図は、東西南北や緯度、経度が指し示されて、等高線による土地の高低差、海、湖、川|河川のような水域、行政区画、道路や建
2007/12/28(金) 17:39:25 | さやかの部屋
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