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N的画譚

N町在住、陋巷の名も無き建築物を描くneonによる、日日の作画帖です。
横文字を添える
穏やかな午後310


「モノクロ画」というカテゴリでこのところアップしておりますが、今回も引き続き。
「陋巷画日記」シリーズよりも太い線、単純な形、抽象味をつよく、という意識を以て描いてみている。
と言うか、これ自体は本作品の下書きまたは下図をラフ描きするような気持ちで描いている。

形や線を整理していくと、何故か添える文字はちょっと横文字にしてみたくなったり。。。
シンプルな洋モノの絵本のようなのも、たまには好いかな?
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みずたまり
水たまりの路地309




雨上がりのみずたまり。

そんなものすら、今はなつかしい響きを纏う。

土の地面がすくなくなって、ぬかるみに足を汚すことも減ったけれど、
幼い頃しゃがんで覗き込んだ、あの深いふかい泥水色のなかの逆さの世界は、
遠い記憶のなかにだけ、ゆらゆらと息づいている。
百鼠(ひゃくねず)
百鼠308


ここのところずっと、もう少し線だけでも耐えうる画、またもう少し抽象度を上げた画をつくりたい欲求がふつふつと心の中に湧いている。(あ、以前も言ってました?・・・ですよね)試行錯誤の時間がワタシはいつも長いから、まあそれも好い時間なのであるが、やはりなにかとっかかりが見つかるに越したことはない。

ところで、着物関係の本を読んでいて「百鼠」という言葉を知った。
「四十八茶、百鼠」というのだそうだが、江戸時代に生まれた言葉で、茶と鼠は色のことである。
茶色にも鼠色にも、それだけバリエーションがあるという意味。
江戸時代後期、奢侈禁止令によって華美な色彩の装いが出来なくなったとき、許可されていたこのふた色を逆手にとって、これだけのバリエーションがあるんですぜお上、と迎え撃ったわけで、さすが江戸の町人はスバラシイ。

ちなみにどんな色の多様さかというと、
こんな感じ
名前がまた惚れ惚れするほどうつくしい。色合いも抑えられた粋の様相、というかまあ流石であります。

ワタシも現在画を描くときに一番多用するのがグレー色なのであるが、主に下塗りに使い、そのまま塗り重ねて基本色にもなっている。他の色を使うときも、ほんの少しグレーを混ぜておくと、渋みのある色になる。ワタシの好む陋巷の家々は、意外とそういう色合いが合うのだ。

色数を抑えながらもグレーの諧調にバリエーションを持たせる、
好いなあそんな画をつくりたい。
抽象度=やっぱり洗練となる。
ワタシのバアイは何処かに差し色をぽちっと注したくなるが。

そしてまだまだ試行の日々はつづく。。。
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