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N的画譚

N町在住、陋巷の名も無き建築物を描くneonによる、日日の作画帖です。
色硝子の円窓(まるまど)
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東京の個展前、最後の更新になります。

明日搬入です。

正直言って此処まで本当に、今年は
息を切らせながらも走り続けた感があります。
最後の作品を漸く今日仕上げて梱包。
ここまでぎりぎりかかったことは、今まで無かったように思います。
何せ京都展示が終わってから東京展までが、本当にあっという間で・・・
気を抜いている暇がなかった・・・です。

でも、何とかすべての準備が整い、明日は陳列作業です。
搬入陳列作業は、どんなに疲れていようとわくわくするものです。
これまで狭い部屋でちまちま作っていた作品たちに、日の目を見せてやるのは
晴れがましいし、どう見せるかを工夫するのも楽しい作業です。

自分の手元を離れて、距離を置いて見ることができる、
それは或る意味試されるようで心配もあるけれど、
やはり自分の注いできたものを晒してみるのは、
ものを作る上でとても大切な時間です。

さて、カフェー建築を描いてきて、しんがりは
私の愛してやまないあの(笑)円窓たちになりました。
脚色も加えていますので、お含みおきを。

画像より、もう一段パステルで仕上げて
現物は若干深みが出ているかと思います。

すべての作品が、モニターの画像とは一味もふた味も違いますので
是非ギャラリーにお運び下さいますよう、
お願いいたします。
では、お会いできますのを楽しみに。
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カフヱースズラン
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新しい画で更新です。
完成までにあともう少しなのですが、個展の会期も迫ってきたので
アップ致します。

このカフヱーは実際には存在しません。
モチーフの参考にした建物はありますが、
カフヱーではないと思います。
ただ、ちょっと妖しい感じはある建物でした。

スズランという屋号も、私が勝手に付けたものです。
単に好きなので・・・。

色数を絞って、黒を利かせると
ちょっと大人びた雰囲気になります・・・
洗練、とまでは行きませんが、戦前のカフヱーの
斬新でカッコよかったデザインへの憧れも込めて・・・。
真珠 もう少し
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続き
8割がた出来てきました。
隣の床屋のサインポールも光っています。

次回はDMと
個展のご案内情報をアップ致します。
DMも明日くらいから順次発送いたします。
2014/08/16(土) 10:21:33 | 途中経過 | Trackback(-) | Comment(-)
真珠 そのまた続き
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台風に翻弄された後は、また暑さがぶり返していますが
皆様お変わりないでしょうか。

また前回の続きですが、もう少しおつきあい下さい。

青と赤は、私にとっていつもポイントになる色。
今回も窓の青を印象的に描きたいので
下塗りで工夫してゆきます。

そろそろDMの宛名書きも始めました。
お盆過ぎには順次発送し、ブログにも
個展情報をアップしていきますので、よろしくお願いします。
2014/08/11(月) 10:01:14 | 途中経過 | Trackback(-) | Comment(-)
真珠の続き
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続きです。

真珠の建物は小さくてシンプルなのですが、
中央の窓のデザインが素敵なので、画でもそこが
ポイントになるように最終的に仕上げます。でも
その他の引き立て役部分も面白く描いていきます。

ざらついた壁や経年の汚れなどを描きながら
最後にはもう少し落ち着かせてゆきます。

ただ、説明的に描き込み過ぎないよう、
粗密の割合を少し考えながら。
とにかく最後はこの建物に対する「愛」を以て(笑)
仕上げていくのです。





2014/08/06(水) 10:53:35 | 途中経過 | Trackback(-) | Comment(-)
T町の真珠
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長いことアップしていた前記事の画は、タイトル未定ですが9月の東京展のDMに使用しました。
もうDMも出来上がってあとは配送のみですが、まだ時期的には少し早いので
ギャラリーさんに納める他はもう少し後の配送となります。

今回思い切って印刷会社を変えてみました。
色々と心配もあったのですが、その会社の入稿方法が私にとって
考えられないくらい簡便だったので、本当に今までになく楽になりました。
もっと早く切り替えればよかったなー。

さて、大きめの画が描き終わったので
あとはまたのびのびと、会期まで描けるだけ描いていきます。

京都展が終わってから、ずっと行こうと思って行けなかった
都内のとある町に出かけて、気になっていた建物を漸く取材することができました。
本当に小さなスナックなのですが、とても画的には惹かれるものがあり
隣接の床屋(何と理容キューピーという屋号・・・)との組み合わせも好く
どちらもかなり実物は妖しげな感じがしないでもない・・・素敵な(笑)建物でした。
真珠というのは、左のスナックの方の屋号です。好いですよね。

画はまだ線描きの状態です。
上が切れてしまってすみません(汗)。

途中経過をだいぶカメラに収めたので、これからまた
少しずつアップ致します。

コメント欄はまだしばらくスパムの様子見で閉鎖しますが
展示が近づいたら、また開けたいと思います。
よろしくお願いします。

(画の下に敷いている布は、古布の木綿。こういう格子の古い木綿が好きです・・・。
2014/07/28(月) 19:34:42 | 途中経過 | Trackback(-) | Comment(-)
少しずつ建物を











まだもう少し続きます。

線を描きおこしたら、少しずつ建物を立体化?していきます。
でも全部写真のようにクリアにするのではなく
あくまで心のなかの風景なので、省くところは省いていきます。

煙突など、画にリズムを刻んでくれるものは
大事に描いていきます。

さて、ようやく次回は
町に灯りが点りそうです。


*****
スパムが多いため、コメント欄は只今閉鎖中です。
よろしくお願いします。
2014/07/15(火) 11:05:56 | 途中経過 | Trackback(-) | Comment(-)
また線を描きおこす
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続きです。

消えてしまった線を描きおこします。

少し変更を加えたり、足したり引いたりをしながら・・・

残す線はくっきり、微かに見えればいいものはそのまま
そして少しずつまた暗部をつくっていきます。

空の向こうは遠く明るんでいるような
そんなイメージを作っていきます。
路にはこれから街灯がともるので、周囲はやや暗めにしていきます。
その方が灯りが際立ちます。


7月14日記

スパムがあまりにも多いので、しばらくコメント欄を
閉じさせていただきます。
申し訳ありませんがよろしくお願いします。
その上からまた
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また前回続き。

きれいに線描きしたのに
今回またそれを消すかのように?
もう一度絵の具をかけていきます。

そして、また線は必要に応じて
描きおこします。
描きおこす作業はかなり好きです(笑)。
全体の調子を見ながら、画の雰囲気を作っていきます。

実際には無い町ですが
それをどうリアルに、また幻想のように見せるか
……

大きい調子は主にアクリル絵の具をバサバサした刷毛で粗く塗り、
微妙に雰囲気を出したい所は、パステルでぼかし
細部を出したい所は筆や色鉛筆などでおこしていきます。
その上から筆で線描きをする
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また前回続き。

前回は色鉛筆(焦げ茶色)でざっと描いていた線を
今度はアクリル絵の具を使って、面相筆でその上からまた
描きおこすように、確定するように描いていきます。

少し、窓の中など暗い部分を塗って調子をみたりします。

パステルを使って町並みの暗い部分などを作り、
全体の雰囲気を見ながら進めます。

・・・これらはあくまでも私の独自の描き方
(長い間に、こういうふうになってきた、というだけ)なので
決してアカデミックな、合理的な描法ではありません。
ま、変なのー、くらいに思って見てね。
もっとこうやったら「プロっぽい」描き方になるよーというのが
ありましたら是非、教えてやって下さい。
お願いします。

色鉛筆で線描きをする
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前回続き。

色鉛筆でざっと線描きしてみました。

いきなり町が出現。ゲートのある、ごみごみとした巷。
全体の空気感のようなものを作っていきます。
再始動











作品の構想をじっくり練るのは好いのですが、
時間が掛かり過ぎると後で焦らなければなりません。
焦る、というのが私には一番好くない・・・。
焦って好い作品が出来たためしがないのです。

でも、漸く久しぶりにエンジンがかかってきました。
とはいえ、この画像では何だか全く想像つきませんねー。

まだまだ下塗りです。
これから、再びの幻燈街が現ちあがって・・・行く筈(汗)・・・
窓 続き













前回線だけだった画の続き、
色を付けていくとこんなにも雰囲気が変わってきます。
まだ途中ですが。

私の色々な原点が、此処に有ると思うので
描いていても想いが溢れるようです。

失われた時間、もの、人、でもそれらは
心の中で今一度鮮やかによみがえるのです。
忘れ形見












5月も中旬に入ってきて、展示も近くなってきました。

今回の新作としては最後の制作となる小さな一枚。
まだ線描きの画像をアップしておきます。

私がカフェー建築に惹かれるきっかけともなった
素晴らしくデコラティヴな建物の一部のモチーフです。

繰り返しくりかえしこれを画のなかに描いてきました。

建物が解体された時に誰かが引き取っていったらしいとも
聞いていますが、この見事な色ガラスがどこかで残っているのだったら・・・
もう一度会いたいけれど。

そんな、私の心の中だけの忘れ形見を
小さな画面に展開してゆきます。
楽園という名の廃墟
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さみどりの目眩く季節となり
京都展示までほぼあとひと月となりました。

会期近くなってくると雑用が多くなって、実際に描く時間は
ほとんど無くなるので、使える時間を有効に使わなくてはなりません。
解っているのですが、段取りを考えているうちにぼんやりしていたり。
若い頃はもっと仕事が早かったのになぁなどと思いながら、
準備を進める毎日です。

さて、今回の画像は、作品の一部分を切り取ったもの。
全体は展示でお見せします(笑)。

部分ではどこの建物か分かりづらいですし
この画はそのままを描かずに一部実際とは改変しています。
でも、もしかしたらあそこかなと思われる人もいるかもしれません。

実際にはもうこの町は機能していない町で
廃墟とは言い過ぎかもしれませんが、「楽園」という華やぎは
失われてひっそりとしています。
無くなった建物も幾つも・・・。

まあ、私の描いているのは実物そのものではなく
いつも自分の中で噛み砕いたものを表現しているので
場所探しは意味ないことなのです。

人々の様々な想い出を秘めて
建物たちは無言のまま、時間のなかに埋もれ廃れていくのです。

下塗り中













前作、下塗り中の画像です。
これからもっと細かくディテールを描き込み
形も整えて、経年変化の廃味(笑)も出て
ますます妖しくなっていきますので
もう少しお待ち下さい。

京都展のDMも只今印刷中です。
こちらももう少しお待ちくださいませ。


★個展「幻燈街」2014@京都きんせ旅館 

5月28日(水)~6月1日(日)
京都島原 cafe&bar <きんせ旅館
素晴らしくトチ狂った建物












漸く色々なことが一段落再始動となり、また作品の途中経過を
アップできる状況に戻ってきました。

新学期しょっぱなからトチ狂ったとは、
我ながら可笑しいのですが仕方ないのです、本当に
この描こうとしている建物は実際トチ狂っていました・・・。

この建物は、種々の建物を無理やりくっつけてみたような
全体像のつかみにくい、見るからに妖しいもので、
然しながら部分部分はいやに凝り凝りに凝りまくっており
色も(これから付けていきますが)基本は
くすんだ朱色と灰色がかったピンク、
そこに錆と剥落と崩壊とが合わさって得も言われぬ
雰囲気を漂わせているのです。

何処を録っても面白いので、描く場合にどう切り取るか
散々迷いましたが、まあ一番メインとなる角を先ずは
描いてみることに。

此処だけ見るとそんなに変態チックではないのですがねぇ。
現物を見たい方は、情報はこっそり教えますので連絡下さい(笑)。
まだ残っていればの話ですが。


★個展「幻燈街」2014@きんせ 

5月28日(水)~6月1日(日)
京都島原 cafe&bar <きんせ旅館

仕上がりもう少し・・・












桜が咲き始めました。

染井吉野の透明感のある明るさは
春への嬉しさと共に、儚い幻のような切なさを運んできます。

画のほうも、そんな気持で少し切ない仕上がりに…。





★個展「幻燈街」2014@きんせ 

5月28日(水)~6月1日(日)
京都島原 cafe&bar <きんせ旅館

デコラティヴな装飾
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2月も早半ばを過ぎ、苦手な寒さに何とか堪えつつ
後もう少しで3月だ・・・と思いながらお弁当作りの早起き生活を続けています。
ほんのすこしずつ、夜の明けるのが早くなっていることが
何より嬉しい。

3月中旬までは、小さいサイズの画は少し置いておき、
大きい3点を仕上げることにしました。
そのほうが後で気持が楽なので。

五月の京都の展示を決定した後に、描きおろす画に加えて
あの作品をもう一度焼き直して出したい、という想いが湧いていました。

あの作品、というのは「Apartment」という展示(2011)をした時に出した
京都の五番町に嘗てあった建物を描いたもの。
現存の姿を私は拝することができましたが、その翌年くらいに解体されてしまいました。
素晴らしくデコラティヴな装飾が施された建物で、
カフェー建築の極みのような姿でしたが、近年はアパートとして使われていました。

この作品は今見るとやはり色々想い出もあり
しかし描き込み足りない部分も見え、再度リニューアルさせてみることにしたのです。

窓の装飾ももう一度手を加えたり塗り潰したり、
漫然としたものにならないよう、また
うるさくなり過ぎないように気をつけて、まだまだ作業は続きます。
5月にはこれがまず玄関で出迎える作品になるかも・・・。

*ちなみに、この画像は作品の一部分です。
緑の色硝子
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菱形置きの、最初に描き始めていた画も
この程度まで進んだので、まだ完成ではありませんがアップ。

隣県のK市の印象的な建物。
町の角に建つこの建物は、なかなか個性的な形状で
モルタル部分は汚れているものの、色硝子の入った扉や窓は
ロマンティクな時代の残り香を感じさせてくれます。

最初から緑色をキーカラーにしようと決めて描いて来ました。

仕上げまで、もう少し手を入れていきます。
Designed by aykm.