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N的画譚

N町在住、陋巷の名も無き建築物を描くneonによる、日日の作画帖です。
京都断章*2


1988年盛夏、ついに京都のHという駅に降り立った。<そこ>は駅に着く寸前にすぐわかった。ややくぼんだ土地に一目でそれと分かる町並が見えたのである。
目の前に現れたその町は、本当に言葉を失うほど非日常のたたずまいを遺していた。どの建物も意匠を凝らした和洋折衷建築で、それが真夏の強い陽ざしの中でしんと静まりかえり、濃い影を作り、そして廃れつつあった。保存とか修復とかいう言葉は、この町には無縁のもののようだった。やはり旧遊廓という、特殊でナイーブな意味を持つからなのだろう。そしてほとんどの建物は、まだ住宅として使われている様子だった。
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