
前述の「一銭五厘たちの横丁」で探しあたった家族のひとつが、なんと我がマンションの隣のI理髪店の一家であった。
桑原甲子雄撮影の二枚の写真に写っているのは、当時のご主人と娘さん。出征中の二人の息子に送られたらしい。幸い二人の息子は帰還し、弟のほうが理髪店を継いだ。現在はその弟さんも既に亡いが、奥さんが元気に床屋業を営んでいる。
写真を30年ぶりに見たときの、弟さんの浮き立つ様子は、この本の中でも微笑ましくいかにも下町らしさが横溢して楽しい。明暗併せ持つ戦中戦後譚は、勿論この家族にもあるのだけれど。
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