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N的画譚

N町在住、陋巷の名も無き建築物を描くneonによる、日日の作画帖です。
記憶の断片


個人的な想いを作品のなかに反映するかどうか、というのは勿論作家の自由だけれど、私の場合に限って言えば、やはりそれが反映していると言えるだろう。アラーキーが「私写真」とよく言うけれど、その言葉は私にも沁みる。何でもない風景でも、私情が絡むことによってかけがえのないものになる。それは個人的なモンダイなのだけれど、その想いの深さというのは、作品を見る側にやはり伝わるのではないかという気がする。

今私の掌のなかに、小さな硝子の破片とタイルの破片がある。
かつてあった建物の形見だ。
ガラクタというか殆ど芥にも近いものだけれど、私にとっては記憶の断片が今ここにあるような想いがする。
その想いを何とかまた画面に表現してみたい。


[雨後の町] 1993 A4キャンソン紙に顔彩、色鉛筆、パステル
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