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N的画譚

N町在住、陋巷の名も無き建築物を描くneonによる、日日の作画帖です。
岐(わか)れ路の家


陋巷画日記・4回目です。

横尾忠則さんが二叉路の画をよく描いておられるのは有名だが、二本に限らず、分岐している路というのは何かしらものを想わせるものだ。十字路や三叉路、そしてそこに往き交う人びとを見ていると、何となく物語があるように感じたりする。

辻、という言葉も好きだ。
この字自体も国字なのだそうだが、村や町の境には見守ってくれる賽の神のようなものが居ると信じた、昔の人びとの心の在処を想ったりする。
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私は海を抱きしめていたい





海が好きだ。
どんな海でも、ちらっと見えさえすれば心が波立つ。
私の生まれ育った横浜でいつも見ていたのは、コンビナートの立ち並ぶ綺麗とは言えない海であったけれど、それでも見れば痛いほどなつかしい。

横長の画面に、黒い海を描いてみたかった。
黒いけれど、どす黒いのではなく、汚れているのでもなく、
でも青いまっさらな海ではない、透明な風が吹いていて、
そしていつでも心が帰っていく場所のような、そんな感じで。。。

タイトルは、坂口安吾の小説にあるもの。
十代の頃、中身よりこのタイトルが好きだった。



[海景] 2004 19×45cm
麻紙ボードに、ジェッソ、アクリルガッシュ

ハマの陋巷ビリヤード


根津教会のコラボ展示は無事終了することができました。関係者の皆様、おいで下さった皆様、本当にありがとうございました。

で、閑話休題、
陋巷画日記3回目です。

今回は珍しく看板に「BILLIARDS」の文字がはいっています。
いえその、これはですね、文字がネオン管でできていて、んんっ格好いい、という感じでしたので入れました。。。ただ、実際はこんなふうに斜めではアリマセン。

このところうれしくない用事(両親の病気見舞)で帰浜することが多いのですが、諸々でタクシーに乗ったりすると、かつて住んでいた頃とは違った、或いは気づかなかった横浜の町が見えてくるのです。必ずタクシーの運転手さんとも話をするのですが、さすが町の変遷については詳しく、一期一会と思いながらも、何だか印象深いひとときになったりするのです。
Henteko-House2


このところまた少し慌ただしい日々が続いており、ちょっと旧作で一休みさせて頂きます。
昨年のNomad展に出そうとしていたもので、だいぶバックをいじっておりますが、こういうやり方はしないでいいのでは、とギャラリーツープラスさんには後で指摘を受けました。もっとフラットな白いバックのほうが、建物が際だつのだと。なかなか自分では気が付かないことです。

建物のかたち、色に関しては結構自分でも気に入っている作品です。
かたちがうまく頭の中に浮かび、そのままのびのび描くことができた気がします。ある程度の計算は勿論必要だと思っていますが、最終的にはそこを越えた気持ち、が大切だと。。。そのせいか分かりませんが、展示前に嫁入り先が決まってしまい、結局出品しないでその方のもとに行った作品です。

[Henteko-House2] 2005 14x18cm
麻紙ボードにジェッソ、アクリルガッシュ、パステル、ミリペン
曙ハウス 間取り図を描く


お知らせしている「近代建築 街角の造形デザイン」の展示に、曙ハウスの画とともに、その間取り図を展示したいという話が当初からあった。本当は模型も・・・ということも話題にのぼったのだが、何せ消えてしまった建物。図面を持っている人もいないし、住人の方も散りぢりだし、建物に入ったことのある人でも、なかなか部屋の間取りなどというものは、覚えていないものである。

それで、主に写真から、そのだいたいの図面を起こしてみることになった。
ブログ一周年 そして曙ハウス再び


拙HP・Neonticaのnewsでもお知らせしています通り、2/10(土)より、本郷「文京ふるさと歴史館」にて、企画展・文京・まち再発見2「近代建築 街角の造形デザイン」という展示が始まります。そこで採り上げられる15の文京区内の建造物、そのひとつに、昨年1月末から2月にかけて取り壊された、根津の2階建て集合住宅「曙ハウス」が選ばれました。

ちょうどほぼ一年前に、解体直前の曙ハウスの前で、ブログを通じて知り合うこととなった「Kai-wai散策」のmasaさんと、初めて短時間だけお会いしたのでした。そしてその後、ハウスの解体、プレートの保存とその行方はmasaさんのこのエントリーに、そして私自身にとってのハウスとその画を描く過程についてはこちらを、改めて読んで頂ければと思います。
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