
亡くなった母はきものの似合うひとだった。
和箪笥には何枚も、生前大事にしていた着物やら帯やらがはいっていて、その中から何枚か、片づけながら私のところに持ち帰ってきた。
背格好がほぼ同じだったので、母の着物は直さずそのまま私も着ることができる。
紺地に菊模様の紬は、私もそろそろ着てもおかしくない年齢だろう。
もうひとつの、ほとんど白地にもみえるが、淡く灰緑がかった訪問着は、ちいさな絞り染めの線で、椿の模様がいちめんに描かれている。芯の部分が優しい桃色で、こんな色の半襟に合わせたら好いかも知れない。母の好きだった、珊瑚の薔薇のちいさな帯留めかざりと一緒に。
秋になったら、袖を通してみようかと思う。
(今回は、画は夏休みといたしました。)
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最近は、ペン画を除いては線だけの作品は少ない。
でも私にとって線、というものは尽きない魅力にあふれたもの。
そして私の好きな線は、細くて靭い線。
だが最近は、かつてよく描いた、ぴんと張りつめたものよりもう少し、のらくらした線を描くようになってきた。トシのせいもあるかな。
でも、つよくても遊びのある線というのは魅力だ。
もっともっと、味わいのある、自由な好い線を描けるようになりたい。
この画は90年代のもの。
パステルで塗り込めた黒バックに描いたので、モニターでは暗めに見えるが実物はもう少し明るい。
これはこれで、自分の描きたい線を懸命に描いている感じがする。
モチーフは、文京区の小石川植物園にある、内田祥三設計の昭和初期の建物。なかなかモダンで素敵な時計塔のある建物である。
今日の午後、かねてより癌闘病中であった母が世を去りました。
父に続いて母も同じ年に見送ることになりました。
しばしブログはお休みいたします。
でもすべて済みましたらまた戻って参ります。
どうかまたその折はよろしくお願いいたします。
父に続いて母も同じ年に見送ることになりました。
しばしブログはお休みいたします。
でもすべて済みましたらまた戻って参ります。
どうかまたその折はよろしくお願いいたします。
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