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N的画譚

N町在住、陋巷の名も無き建築物を描くneonによる、日日の作画帖です。
建物の表情



千葉県立美術館でやっている「ユトリロ展」に行ってきた。
東京から一時間の距離はちょっと遠かったが、京葉線からの眺めも初めて見るもので、悪くなかった。

今まで印刷物で見ていたユトリロの画にはそう心惹かれなかったのだが、一度銀座の画廊でホンモノを見てしまったら、ああこれはすごいと感動して、今回80点も出ているというのでどうしても観ておきたくなったのだ。
なかなかゆったりとしたスペースで、余裕をもった展示の仕方だったので、ゆっくり観ることができた。作品はやはり初期のものが特によくて、陰鬱なグレーの空に漆喰の白い建物が静謐な存在感をもって並ぶ。

知らなかったのだが、ユトリロは若い頃からアル中で、家庭環境も酷かったのである。そして町角に画架を立てて描いているのだとばかり思っていたのに、巷の絵葉書写真を与えられ、金稼ぎのために母親に監禁されながらそれをもとに描かされたのだという。驚いた。
実際に見ていない建物たちに、くぐもった、しかし見る者を惹きつけるピュアな表情を与え得たのは、やはり天賦の才能なのだろうか。。。

で、今日の画はユトリロとは関係ない(苦笑)ワタシの過去の駄作であります。
ちょっとアヤシゲな場末の界隈をミドリ色に描いてみたかった、4~5年前の作品です。



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