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N的画譚

N町在住、陋巷の名も無き建築物を描くneonによる、日日の作画帖です。
廃墟の街



昨日、岩波ホールで「ヒロシマ*ナガサキ」を観てきた。
中学生の長男に見せておきたいと思ったのがきっかけ。全編ドキュメンタリーの形式だというので、それはいいと思ったのだ。

私が小学生の頃、家に「少年朝日年鑑」の別冊号で、太平洋戦争と、公害病である水俣病を特集したものがあった。「ガラスのうさぎ」や「はだしのゲン」も心に響いたが、この別冊のなかの写真には、何か子供心にぐうの音も出ない、言葉や感傷や憐憫を超えた迫力を感じたのだった。事実の重さというものを把握するのに、写真というものは何と力を発揮するものか。

映画は淡々と、或いはたたみかけるように被爆者の証言を綴り、それを裏打ちするように映像が入る。細かい感想はここでは書かないが、どの被爆者もそれぞれ非常に印象深かった。息子は終わっても口数は少なかったが、それでもいいと思う。これから、必ずこの国の行く末を考える時にぶち当たるし、その時にこの市井の人びとの言葉を傷を、想い出して貰えればと思う。映画はまだ9月も上映されますし、被爆者のかたのお話もあるようです。岩波ホールHP(上記リンク)を御覧下さい。

今回出した画は、唯一私が戦争廃墟をぼんやりと意識して描いたもの。50号の大きいモノで、とあるグループ展に招待されて出品した作で、もう4年ほど前か。あまり好い写真ではありませんが、乞う御容赦。
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