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N的画譚

N町在住、陋巷の名も無き建築物を描くneonによる、日日の作画帖です。
喫茶ルナ



喫茶ルナは見たときには既に廃業していた。
嘗ては花街として賑わったらしいが現在はひっそり閑としている、中野区のとある裏通り。ごみごみと何軒か、営業しているのかあやしいスナックが建て並んでいる一角に、挟まれるように小さな紅い看板があった。何の変哲もない、ご近所喫茶といった感じだが、撮った写真のたたずまいには、何だか不思議に惹かれるものがあったのだ。

ルナという名前も、luna,lunaticという言葉のイメージを喚起させるからちょっと好きだ。画では珍しく<Luna>と入れてみたが、本当は何処にでもあるゴシック体の片仮名で、<喫茶ルナ>とあっただけ。
もうすでにこの建物はなくなってしまったかもしれない。
夕方から少しは華やいだであろうこの一角で、開店前のご近所スナックのママさん達に、にナポリタンや野菜サンドを銀のお盆ごと出前していたような、そんな喫茶店であったろう、な。
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