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N的画譚

N町在住、陋巷の名も無き建築物を描くneonによる、日日の作画帖です。
湾岸夜景
Neon-4 湾岸夜景151


昨今は「工場萌え」なるコトバも出現し、俄にブームと化したような工場地帯の風景ですが、私の中ではずっと以前から、工業地帯の、特に夜景に対する想いというのは萌芽していました。

というのも、私はこうした東京湾岸の景色を間近に見て育った人間であり、何故か人一倍、こうした風景が好きな変なコドモでした。特に十代の頃、よく夜の根岸線の車両から見えた景色、また塾帰りにいつも通った、京浜のコンビナート地帯が一望できた崖上からの目くるめく様な夜景は、何故か私の心をいつも慰めてくれたのです。普通の子供より、何故かいつも何処かに寂しい心持ちを抱いたコドモでした。孤独というコトバもよく胸を掠めました。でもこうした夜景に出会うとき、それは孤独で寂しい景色なのだけれど、深々とした、温かい闇を包含しているとも感じたのでした。孤独ということが負の意味でなく、何かが始まる原点のようなもの、自分の砦でありまた、取り巻くすべてから自分を解放してくれるもののようにも思えたのです。

今私がneonというハンドルネームを使っている原風景が、やはりこの画のような景色に在るのだと、そしてそれはずっと変わらないのであろうと思うのです。
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