
横浜の元町は、ワタシの生まれ在所の本牧から近かったせいもあって、小さい頃から随分歩いていた筈なのに、華やかな店や通りにしか目が行かなかったから、こんな一画があると知ったのは昨年のことだった。
元町の大通りのすぐ裏側で、今まで何故気が付かなかったかと不思議なくらいだ。だが表側は普通の商店で、ここはその裏側なのだが、昭和なたたずまいというよりも、アジアの何処ぞの裏通りのような雰囲気だった。
生まれ育った町というのは、身近すぎて気が付かないものも多いし、写真を撮ったり画に描いたりすることも無いことのほうが多いものだ。だから時にはよそ者の目で郷里の町を歩くのも悪くないし、また永井荷風のような富貴閑人が歩いて記録に留めてくれるのは、そこに住む人たちにとっては馬鹿馬鹿しくても、貴重な記録になったりする・・・ことを思うと、有り難いものだとも思ってしまうのである。
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