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N的画譚

N町在住、陋巷の名も無き建築物を描くneonによる、日日の作画帖です。
ユリ・コレクション
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白くて香りのする花が好きなのだけれど、この季節、すずらん、くちなし、百合とそれに当てはまるのが多いのです。
なかでも百合の花のかたちは画的にも惹かれるものがあります。

夏目漱石の小説「夢十夜」の冒頭第一夜に、印象的に百合の花が登場しますが、このお話も昔からとても好きでした。「それから」にも百合の花が出てきますので、どうやら漱石もこの花には特別な想いがあったと思われます。
近年、森田芳光監督で「それから」が映画化されましたが、このときヒロインの着ていた百合の花の浴衣も、色々なものを暗示していてとても好かったのです。以来、百合の柄のきものは遠い憧れでした。

そうこうしていたら今年出会ってしまったのです、長年の恋人のようなきもの。
夏の絽の着物で、御覧のような透け感があり、破れ麻の葉文様とあいまってうつくしい。
地色は紫ですが戦前の染め色なのでしょう、どぎつさのない、しっくりした色。
図柄としては大胆かもしれませんが、着物だとそれがあまり気になりません。
で、たまらず手元にやってまいりました。。。
絽の着物は昔は高級品だったのですが、現在アンティークとなったものは、信じられない安さで出ています。

絽の着物は7~8月の盛夏にしか着ませんが、ようやく何とか着付けも独りで出来るようになったので、今から袖を通すのが楽しみです。
嘗てスケッチした百合の画を置いてみました。
タイトルの「ユリ・コレクション」は、あがた森魚の、珍しくあかるい大好きな曲。イントロの軽やかなフルートの音色が、梅雨の鬱陶しさも飛ばしてくれるような素敵な一曲です。(ん~多分ご存知の方は少ないでしょうが。。。)


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