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N的画譚

N町在住、陋巷の名も無き建築物を描くneonによる、日日の作画帖です。
人物イラストを描いた本が出ます
お金のしつけ 装幀336










いや~~。
初めてです、人物イラストを担当させて戴いた本が出るのは。。。

・・・ということで、9/1付けで、PHP文庫より、
「お金のしつけ」~子どもの「困った行動」に親はどう対処すべきか~
(あんびるえつこ 著)
が発売されます。

お金のしつけ 表紙イラスト334

装幀に使って戴いたイラスト、ちょっと小さいので原画をアップ。
あっちのおもちゃが見たいよ~ってな感じ。






お金のしつけ 中イラスト335

文中、章立ての扉頁などにもだいぶ使って戴きました。中はモノクロイラストで、こんな感じです。

とりあえず今回はお知らせのみにて。
次回、著者あんびるさんと、内容のご紹介も兼ねた記事をアップしたいと思います。
PHPの文庫は売れ筋ですので、新刊は一般書店ではかなり扱いがあるかと思いますので、是非思いだしたら覗いてみて下さい。値段も税込み500円です~!

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質感の表現
画 プロセス 004









久しぶりに少し大きい画を一枚描いているのですが、さすがに大きいと、誤魔化しがきかないことが色々出てきます。
質感をどこまで出すかというのもそのひとつ。

でもあまりそれにかかりきりになると、何だか野暮ったくなってきます。
もっと冴えた画面が欲しい。
やっぱり力強い線だろうか。
沁みるような色だろうか。
全体のフォルムだろうか。

色々錯誤の時間が費やされていく雨の今日この頃。

(画像は部分。)
色んなモノ一杯のカドの家
色んなモノ一杯のカドの家333










すっくと延びた銀色の煙突が、三角屋根と相まって好い風情です。
しっかし、1階を見ると窓の下は、微妙なバランスで積み上げられた様々なモノで一杯。
リヤカーの一部やプランター、バケツにブリキ缶、何だかワカラン箱や物体。
角地にあるこの家、見晴らしも良いのですが、
のんびりした町でないと、こうはいきませんねぇ。
此処を見ていたら住人であるオジ(イ)サンが、きっといつもそうしているであろう様子で、
片づけるでもなく、このモノたちをゆっくりいじっておられました。。。
喫茶ルナ*彩色篇
喫茶ルナ*彩色篇332









以前「陋巷画日記」のカテゴリーでアップした「喫茶ルナ」の線画を、麻紙ボードに彩色画として描いてみた。かたちが好きだったので、当初から色を付けた画稿としてみたかったのである。

とはいえ、色数は少なく、ルナの看板のところだけぽっちり赤い、あとはグレーを基調にしたものに仕上げるというイメージも珍しく最初から出来ていた。そういう場合は最も暗い色(黒)の配置に気を配る。それがどこに来るかによって、画面の締まり方が違ってくるように私には思われる。

他の人は知らないが、私のバアイ、一番最初に自分のイメージした色を塗ってみて、そこからまた違う色を重ねてゆくのだが、建物自体もそうであるように、最初はおそらく竣工当時?の、汚れのない新品ピカピカの画になっている。そしてそこから主にパステルで、少しずつ風化の汚れや染み、隙間などを描いてゆく。あたかも本当の建物がそうなってゆくように。
パステルで画が濁ってくると、またアクリル絵の具を重ねて濁りを取る。
エッジがぼやけると、9Hの鉛筆で描き起こす。
それを繰り返して最後に、ミリペンの極細で電線などの最も細い決め線?を描く。

そんなふうに描いているのだが、これは全く私の独りよがりな、誰に教わったのでもない描き方なのだ。ここに辿り着くまで長い時間があったが、しかしまだまだここから変わってゆくとも思う。
暢気な平屋
ノンキ平屋331









折々拝見させて頂いている女性建築家、大内山さんのブログ「大内山雑記帳」に「防犯」というエントリーが出されていて、何だか考えさせるものがあった。というのは、この十年で住宅設計に於ける施主の防犯の意識が、嘗てとは全く様変わりしてきた・・・という内容であったから。
そうなのだなぁ。私が下町や陋巷を歩き始めた昭和の末頃は、それでもまだまだ路地に入ればあけっぴろげな生活が溢れていた。佃に行ったときなど、初夏のせいでどの家も玄関開けっ放し、座敷でごろ寝のオジサンやテレビの音、コドモの遊び声もこぼれ出ていたのだった。

だがもうそれは刻々加速度的に無くなっていっている。
過剰なほどの警戒を、否応なく強いられる場面が日々多くなっている。
町歩きをしていると、不審な目を向けられるというのもよく聞く話だ。

尾久を歩いていて、こんな平屋があった。
無防備で、狭くて小さくて古いけれど、平屋はいつも私に、失くしてしまった色々なものを思い起こさせる。長閑で暢気なあけっぴろげなあの時代は、もう二度と戻ってはこないのだろうか。
暑中お見舞い申し上げます
暑中見舞い2008









皆様、お暑うございます。
心より、暑中お見舞い申し上げます。


(もう少し画を大きく見たい場合は・・・こちら。)
傾(かし)ぐ
傾ぐ329








傾いだものに惹かれるのは何故だろう。
風雨に晒された建物の、いつの間にか傷ついて、
でも何故かそれも私の眼にはやさしく映る。
建物はいつも閑かなのだ、
押し黙ってすべてを受け入れている、
文句も愚痴も洩らさずに
今日もほんの僅かずつ、自らの何処かを
朽ちてゆかせつつ。
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