
今年も4~5月の連休に予定しているnidoの展示のための作品も、愉しみながら創り貯めています。
今年は「色硝子の町(仮題)」といった感じにしてみたいと思っています。
私の惹かれてやまない、昭和初期頃のモダンなカフェー建築、それも名だたるものではない、巷の遊興街の建物にも、嘗て驚くような美しい意匠が施されていました。
中でもステンドガラスの窓のデザインにはアールデコの文様も多く、斬新で見飽きない魅力にあふれています。
そんなデザインを参考にしながら、小さな木片(谷中のいろはに木工所さん提供)に画を描いてみています。(この画は直径5cmほど。)
これからこの画を入れるステンドガラスのデザインを考えて、製作はnidoにお願いするのですが、今回は額を付けるというよりも、小さな硝子窓のなかにこの画を嵌めて貰う、といった趣にしようかなと構想中。
モダンで尚かつノスタルジックな空間が出来上がると好いのですが。。。

前にモノクロペン画でかいてみた画を、ちょっと変えつつ色彩画にしてみた。
奥の家はいつの間にか床屋に。。。
先日、異分野の方からコラボ展示のオファーをいただいた。
3月末に、ちょっと素敵な展示に参加させていただけそう。
また違った刺激を貰えるのではと。。。
そして先ず、好い作品を創り上げて出したい、と。
詳細はまた後日お知らせ致します。

少しく遠出して歩いてみた街は荒れ果てて、冬の西日が海風に煽られて弱々しく射し込んでいた。
崖が多いから階段が至る所にあるのだが、その石段のすり減った丸みだけはひっそりとやさしい。
嘗て賑わった巨大な建物がまるごと廃墟となり、硝子張りのエントランスからがらんどうの室内が見え、その向こうに凪いだ冬の海さえ見おろせる。暮れてくれば明るいネオンの付くはずの歓楽街も、落ちそうな看板や切れた電線がぶらぶら揺れて、錆のひどく出た窓辺は、その錆色だけが華々しい。
だがそんな中をのぼり下りしながら、閑まりかえったこの街の枯れきった匂いを肌で感じていくのは厭なことではない。寧ろ少しずつ心のなかに弱くはあるがゆっくりとぼんやりと、光が射すような気になるのは何故なのだろう。自分の影法師がながくながく曳かれてみえるのが何だか可笑しいことのように思え、寂しさや侘びしさも忘れ、そして何処からかやってきて建物の高みに止まり、親しげに私を見下ろして啼く追憶の鳥の声を夢のように聞く。
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