
アンティーク着物店 Ponia-ponの店主、大野らふさんから、「今度着物のコラボイベントがあって、色々なアーティストの方の展示もするのだけど、その時に作品出してみない?」と言われたのは今年の1月。すぐれた審美眼を持つ大野さんに声をかけて戴いたのがうれしくて、二つ返事で参加させていただくことになったのだが、テーマは「フラワーガーデン・春から夏へ」。いつものワタシのボロ建築路線とは大きく外れる。・・・・・・・
だがその夜、不意にこの画の構図が浮かんだ。
ワタシなりの春の庭。それで好いじゃないか。
先日漸く描きあげた。
描きながら、この小さな家たちの、貧しくて古いけれど、ささやかで幸せな時間、
そんなものを想っていた。
幼いとき、好きでたまらなかった本に、「ちいさいおうち」がある。
それをふと思いだした。
今でも古ぼけたそれを大切に持っているのだけれど、こうしてみるとワタシの原点にちかいところに、この本があったかもしれないとも思う。
つづく。
(次回、展示の詳細等をアップします~)
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おそらく川痕であろう、叉路の多い町を歩いた時にあった家を描いてみた。
二叉路の交わる部分に建っているのだが、鋭角の部分はどうしようもなかったと見えて、ただのコンクリ敷きになっていたが、そこが罅割れて少し苔なども生えたりして、そのどうしようも無さが何だか面白い。それを挟む家も、店舗兼住宅なのか、シャッターが降りていて判断しかねたが、変な造りで何処がどう中でくっついているのかよく解らない。だが、外目には大変惹かれる造形であった。
こういう建物はやはり、ぴかぴかの高層建築の町では見られない。
この罅割れた凹の日陰の部分にしゃがみ、吸えるなら(吸えないけど)一本煙草をくゆらせて憩いたいような、・・・ああそんな気持になるのは、やっぱりワタシが変なんでしょうね。

もう5年くらい前に、漠然とちっちゃな本を作ろうと思い、文章(といってもごく短いもの)の頁の背景を想定して、色々な柄だけを試し描きしていたことがあった。結局本はまだ(というか頓挫というか)できていないのであるが、Cafe Nomadで展示したときに、葉書サイズの紙に自分で両面プリントしたごく幼い造りの冊子を幾冊か作ってみた。そのときに少し使ったのがこんな感じのパターンの画。(部分)
それをちょっと久しぶりに引っ張り出してみた。
詳細は後日出しますが、3月末のコラボイベント展示のときに出す画に、少し参照しようかなと思ったのであるよー。自分で描いたものでも、過去のものは意外と忘れてしまい、何かの時に出てきて、あ、こんなん描いたな~などと想い出したりする。色々、その頃の心境などもちょっと想い出されたりする。
そこに現在の自分の画を重ねたり、mixしたり、また練り直して新たな表現にしたりするのも或る意味新鮮だ。
あの頃中途になっていたものが、ふっと自分の中で解き放たれ、そうだこんな感じなら行けそうだとか、一筋道が見えたりすると、年月が経つこと、年齢を重ねるのもそれはそれで悪くないなぁと思ったりする。(その分体力はなくなってきてるんだけどもね・・・まあそれも、自分の枠と相談しながらぼちぼちやろうかい、という感じです。)

ひところ春のように暖かかったのに、またぐんと冷えて、冬に逆戻りしたかのよう。
で、朝から籠もって描いておりました。
画のなかは、もうすっかり春です。
桜に囲まれて、仲良し鳩さんがやさしげな、くぐもった声で啼いているような。
先日偶々、近隣の町を歩いていたときに、どこからか、クックル~という何ともやさしい可愛らしい声が聞こえ、はっと気づくととある家の窓の下に目立たない鳥小屋があり、覗けば見たことのない鳩のような鳥が。。。
普通に見る鳩よりひとまわり小さくて、黒いちっちゃな眼のまわりが紅色で、・・・
あ、この子たちを描きたい!とすぐ思ったのでした。
ちょうど塗ったばかりの丸い木の板(直径13cm)があったので、鉛筆で下描き、また色硝子っぽい背景に桜と一緒に配してみました。昔から何故か、鳩と桜は付きものの組み合わせとされていたそうで(池田重子著:「春のおしゃれ」参照)、そういえばそういう帯なども見たことがあったなぁ。
画はほぼ完成ですが、これからぐるりとステンドガラス額で周りを飾って貰い、いずれかの展示に出す予定です。この画自体も色硝子の模様のような感じです。

の陋巷も好いねぇ。。。
以前から、モノクロの画には憧れがありながら、なかなか本画としては描いてみることがなかったのだが、昨日発作的に?描いてみたこの画には、彩色が要らないなという気がしたのだった。
まだ完成ではない(し、画像は端が切れている)が、このところ一気にイキオイで描くことがあまりなかったので、たまにはこういうのもアリかなとも。。。(サイズはF6号。)
多分、ワタシの中ではモノクロ写真への憧れもあるのだと思う。
他人の絵にはあまりインスパイアされないのだが、写真作品には時々啓示を与えられるのだ。妙なものだが。とはいえ、なかなか画面に反映されるまでには行かないのだけれど。
とにかく、心の向かうまま、日々描くだけ、
なのであるが。
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