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N的画譚

N町在住、陋巷の名も無き建築物を描くneonによる、日日の作画帖です。
戦前のガラスペン
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最近時々、都内の骨董市に出かけるようになった。
以前から骨董は勿論大好きだったが、着物を着れるようになって楽しみが増したのもあり、また掘り出し物を自分の眼で見つける醍醐味もあって、暇をみて出かける。あとまあ、コドモ達が大きくなって、日曜でも自分だけぷらっと出かけられるようになってきたせいもあるかな。

よく行くのは、自宅からメトロ一本で行かれる大江戸骨董市。
有楽町のフォーラムの広場で第一・三日曜にやっていて、出店数も多いのでじっくり何時間も楽しめる。
特に何を買うというあてもないのだが、古いものを見ているだけで、現代にはないデザインや色合いなど、いつまでも飽きず心が和むのだ。また、男女問わず、着物のひともちらほら。先日は年配の男性で、着慣れた感じに着こなしていた方が何人か居て、思わず眺めてしまった。

着物系は、夏の絽の長襦袢で素敵なのがあったが、ちょっと高かったのでスルーし、雑貨の店などを覗いていたら、美しいガラスペンのセットがあって、思わず手にとってしまった。ペン先のガラス部分の色・形が全部異なるデザイン。よく見たら竹製の柄の部分も皆違う色だ。お店のご主人によると、戦前のもので、閉店したとある店の中から、ごっそり未使用のまま出てきたのだそうだ。それで、色の違うものを6本セットにして出しているそうである。並べてみると御覧の通りのうつくしさ。1本300円、計1800円。もうなかなかこういうセットではないだろうということで、購入。

ワタシ自身、ペンの細字が好きなこともあって、以前ガラスペンを使って手紙など書いていたこともあったが、このペンはきれいでちょっと使う気になれないなぁ。暫くは眺めているだけで充分シアワセ。
柄の部分もガラスでつくってある高級品もあるらしいが、そこまで行くと気が引ける。
因みに、このペンの柄に貼ってあるメーカー名の「葵文具製作所」は、検索しても出てこなかったので、今はもう無いのだと思われる。

こんなペン先を綺麗な色インクに浸し、しめやかに細い文字を書いた時代もあったのだなと想うと、それだけでも浪漫な気分ではございませんか。


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