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N的画譚

N町在住、陋巷の名も無き建築物を描くneonによる、日日の作画帖です。
宝石のごとく












町の中に今はひっそりと埋もれている、旧カフェー建築とも言うべき、小さな家を描いてみた。

都内ではめっきり減ったし、もっと実際は傷んで荒れているけれど、部分部分に美しいタイル装飾をはじめとする意匠が残っていてはっとする。
二階にはモルタルのバルコニーが付いていて、普通の家とはやはり異なる佇まいである。

こういう建物のデザイン、設計に関する研究というのはなされたことがあるのだろうか。
これは規模としては小さいものだけれど、他の地方都市などに行けば、かなり大規模でデコラティブで、凝りに凝った素晴らしい意匠のものもあり、一体こういう建築はいつ頃どういう人たちがデザインして、どういう経緯で造られたのだろうという疑問がいつでも湧く。西洋館ふう、またアールデコふう、和洋折衷、・・・不可思議で、でも浪漫溢れるこれらの建物たち。しかし今までその疑問を解いてくれるような話も書籍にもなかなか出会うことがない。

おそらく娼館であることで、建物としての評価などという範疇から外れてきたのではないだろうか。
建築に関しては全くの素人なので、もしご存知の方詳しい方は、ご教示いただきたいと思う。

ただただワタシは、これからもこの埋もれた宝石を掘り当てては画面に甦らせたいと思うだけではあるが。

追:本当は画の色はもう少し全体に綺麗な色なのですが、何度かスキャニングを試してもうまくいきませんでした。タイル円柱のミントグリーンの中にある、ピンクの豆タイルももっと実際では可愛らしい色です。11月の個展で実物を是非御覧頂きますようお願いします。
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