

今月11月7日からの個展のDMです。
今回のDMは、HPでお世話になったtomoさんに、またまたお力を借りて、二人で画像を見ながら作りました。ダークなセピアの背景カラーが印刷でもかなりきれいに出てくれました。実際の紙は少しざらつきのある、やや生成がかった厚めのものなので、手に取った印象はちょっと画像と異なります。
画像ではその紙のままスキャンすると、どうしても粗く出てしまうので、版下用のものを用いています。
背景のなかに細い線で見えるアールデコ様の模様は、ワタシの愛しているカフェー建築にはよく用いられている、モンドリアンパターンと一部で呼ばれているもの。ステンドガラスの窓など、よくこのような模様が見られます。昭和の初期10年くらいに大変流行ったもののようです。
ところで今回の個展タイトルの「陋巷」の文字、読み、意味について、よく尋ねられます。
<ロウコウ>・・・、「陋」はせまい、「巷」はちまた、の意味があり、ごみごみとした場末の町、といった感じでしょうか。永井荷風を読むと、何処かにこの言葉がちらちらと出てくるのですが、現代ではほとんど知られていない言葉ではありましょう。
いつからか忘れましたが、ワタシの中でこの言葉が、自分の描くものにふさわしい呼び名のような気がしていました。漢語の持つきりっとした音も好きなのかもしれません。
もう何年も、こうした巷を歩き、日記のように描いてきたので、そんな感じに画を並べたいと思っています。
自分としては、あまり一辺倒になって間延びしないように、少し多様性が出るような展示にしたいと思っているのですが、・・・それは御覧になった方に、印象をお聞きしてみたいところです。
是非ごゆっくりとご高覧いただきたく思います。
よろしくお願いします。
(*尚、しばらくこの記事を置いておきますので、ブログの更新はお休みとなります。コメントはお返事致しますので、お気軽に何でもどうぞ。)
10/21追記:11月に入りましたら、在廊時間など、詳しいことをアップいたします。
*尚、このDMを置いて頂いているお店です。ここに記して御礼申し上げます。
皆様ありがとうございます。(置いていただいた順。)
Ponia-pon (@根津、アンティーク着物)
nido (@谷中、ステンドガラス)
プフレーゲライヒト (@谷中、雑貨・文具)
ギャラリーオカリナB (@根津、ギャラリー)
東京蛍堂 (@浅草、大正ロマン骨董)
装 (@池之端、骨董)
アンティークモール銀座 (@銀座1丁目、アンティーク)
INAXギャラリー (@銀座、建築系ギャラリー)
cafe NOMAD (@根津、カフェ)
往来堂書店 (@千駄木、書店)
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だいぶ描きすすみましたが、まだ色々描くべき箇所がありまして、完成はまだもう少し先になりそうです。風船も描いてみて、色の塩梅などを見ているところです。やっぱり画像は実物の色やタッチが出ず、・・・申し訳アリマセンが、是非実際のところは見てお確かめ下さい・・・としか言えず、ちょっと心苦しいところです。ただ、今回の展示では、だいぶ明るい画の部類かと思います。
そう言えばワタシも幼い頃は(いや一応ワタシにもあったんですよ)、ふうせんだいすきだったなぁ。
貰って大事にだいじに持っていた筈が、あ、するするっと手から離れて・・・
あの時の悲しさ。今でも想い出します。
遠く遠くの空の彼方に行ってしまうのを涙目で見つめていたなぁ。(そういう日もあったんですって。)
・・・なつかしい、あまずっぱい想いをこの画にも込めながら、描いています。

前回の続き。
(1階部分の歪みは写真の撮り方のせいです、すみません)
2階のトタン貼り、モルタル壁、その他塗り進んでいます。
今回は主に錆赤系のトタンです。
まだまだこれから風化させていきます。
風船ももうちょっとしたら色を入れてみます。
先日近所のアンティーク着物のPnia-ponさんを覗いたら、羽織が色々入荷していたのですが、その一つに珍しくもカーネーションの柄があり、それが何とも素敵だったのですが、そのカーネーションの花の色が、今この風船に塗ろうと思っている色合いとまあぴったりの色!やっぱり昭和初期の色合い。口で言うのは難しいのですが、やさしいたまごいろと、淡い紅色と、やや錆朱がかった臙脂と、乳白。
欲しかったのですがお値段的に我慢。で、この風船達には反映させてみたいところです。

個展までちょうどあとひと月となりました。
DMも好いのが出来上がっています。もう少し近づいたらアップします。また、月末にかけて皆様にお送りいたしたいと思っておりますので、どうぞよろしく。
今回はちょっとメロウな?作品の途中経過。
まだまだ描きだしたばかりですが、「風船商店」。
何のお店かは色々ご想像にお任せします。
町を歩いていて、何処か(もっと何でもない小さいスーパーかドラッグか何かだったと思う)の店先で、セールか何かなのか、風船が沢山用意されているのを見かけ、あ、これ画にしてみたら・・・と思いついたのでした。
細長の建物の二階は赤錆トタンですが、これからどんどん彩色が進むと、雰囲気が賑やかになってくると思います。台風一過の秋晴れの窓辺でこれを描くのは、気持ち好いですよー。

時間が前後するが、夏に信州の或る小都市に立ち寄ったのだった。
その町の気になるカフェーふうの建物を見に行ったのだったが、そこから暫し奥(というか裏)のほうに行ったところに、何だかおかしな一帯があって、うらぶれたというか、でもすさんだ感じというよりは「キテる」感じの濃いい(笑)昭和のスナック街なのである。
店の造りはどれも安っぽくて高い建物も無く、平屋みたいなのが狭い路地の片側に軒を並べているのだ。向かい側はブロック塀で、ほんとはこの画のようには見えないのだが、まあ画であるからして、塀を取っ払った感じで描いてみた。染みだらけのモルタルの壁が続いているが、すさんだ感じがしないのは、おそらく客の入りはそこそこあるせいではないだろうか、野暮なのだが開き直った底力と暢気さとが感じられる。
蒸し暑い真昼間、この辺りを歩く人は皆無だったし、この小さな町の目抜き通りにさえ、賑わいやひと気というものがほとんど無かった。だが、駅前付近の裏通りにも、歩くと恐ろしい数のスナックが林立しており、どうやら人口の少なさに反して、スナック好きはこの町に多いようなのである。
まあ好いではないか、こういう野草のような場末の町も、それはそれなりに魅力的ではあるのだから。
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