
F3サイズで、また試作品を描いてみた。
南千住に「極楽荘」というアパートがあって、6~7年前偶然そこを通りがかった時、そのネーミングにすっかり「やられ」て脱帽したのだった(笑)。
南千住という町は、いつ降り立ってもワタシの中では変わらず「すがれた町」だ。
刑場跡だった年月が、今も駅周辺にスレッカラシた風と共に立ちのぼってくるような。
そこで出会ったこのアパートには、一本取られてしまった。
おおよそ「極楽」イメージとはかけ離れた、よくある場末アパートでしかないのだが、
妙に気に入って、長いこと描きたいと思いながら実現していなかった。
実際はこんなには細長くないし、壁もピンクがかった色であったのだが、
自分の印象だけで構成した。
ここまで描くとちょっと判らないが、最初かなり多めに線描きをしてから絵具をのせて、
線を消しながら、起しながら整理しながら描いてみた。
自分的には、試作としては、あ、このやり方で少し有効か?というものがあったので
まあ好いほうかな。(て、作者にしかワカラナイ独言ですが。聞き流してね)
*オドロキの追記:
もう現在は無いかもしれないと、念のためググってみたら、何と此処は簡易旅館として営業しているのだった。
一泊2500円、2畳半(!)の部屋で、冷暖房無し、カーテンは破れているそう。。。
いや~オドロキました。
もし此処へ宿泊なさった方は、是非レポお願いします(かなり勇気要りそう)。

試作品03で描いている建物を、抽象味を濃くして線だけで描いてみたり、
そんなこともしている。
同じ建物だとは、言われなければちょっと判らないでしょう。
先日来、昭和初期のTという画家の作品が心に引っかかっていて、絵筆が止まっている。
色々な先達の作品を見ていると、時々自分に足りないものが痛烈に感じられることがある。
自分に足りないものに気づかされる、それは
とても重要な過程であろうと思う。
ああもっとこうしたい、こうするためにはどうしたらいいか、
そういう課題がどんどん出てくる。。。
Tは不遇な画家であるが、画からはそんな感じは全くと言っていいほど感じられず、
非常に<自在>なのだ、モチーフも表現も。
才能と言ってしまえばそれまでだが、何とか彼の画からも、
自分の描く上でのヒントやきっかけを学びたいと切望している毎日。
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