
今年の連休は展示を入れなかったため、例年になく自分以外の展示を見に行けるのだが、混みあっていそうなところには出かける気にならない。
今朝はぽつりぽつりと雨が降り出して、都会の中でも湿りを帯びた新緑のの空気の匂いがする。
新緑の色合いは美しくて好きだが、木の芽どきと言われるように、特有の強い薫りがあってそれが何故かずきずきと傷みを伴うように感じられる。怖いもの知らずの若さのように、眩しいけれど危うい何かを孕んでいる。
ブリジストン美術館@京橋で「アンフォルメルとは何か」という展示を見る。
アンフォルメルとは「不定形」の意味だそうだ。
20世紀初頭のフランス絵画に於ける芸術運動・・・とのことであるが、まあ理論はどうでもよくて、ただワタシの好きな画家の画が2枚出ているので、それを眺めに行ったのである。
ニコラ・ド・スタールという画家の作品が好きで、昨年ある古本屋で手に入れた図録を大事に見ているが、あまり日本では有名な作家ではない。
この人の画も、シンプルだがどこか傷みを伴って見える。
以前も一度ブログに書いたので、詳しいことは省略。
で、実際の作品を生で見るのは初めてであるので、楽しみではあった。
美術館はそう混んでいなくて、スタールの画のある部屋は人も少なかったからじっくり見ることが出来た。
絵の具の乗りの重厚さが凄い。
印刷物の印象より10倍くらい厚くて、画の重みも相当だろうと思われる。
実際に見ると、やはり画家の息遣いが間近で感じられるようで、抽象画ではあるがワタシにはやはり他のどの作品よりも心に響くものがあった。作品としては地味なほうであるが、色彩の感覚がやはり優れているし構成力も素晴らしい。
1200円は高いが、まあこの作品をこの眼で見ることが出来たからよしとするか・・・
で、帰ってくると自分の画に向かいたくなり、またバーフラミンゴの続き。
まだまだですけどね。
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