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「裏町エレジー」の続きをアップしようと思っていたら、年明けに装画(表紙の画)と文中の地図を描かせて頂いた書籍が出版社から送られて来たので、紹介させて頂きます。
*河畠 修著
『福祉の近代史を歩く』 東京・大正~昭和
日本エディタースクール出版部
Amazonのページはこちら
当初4月ごろの刊行予定だったのが、震災などの影響で遅れたようです。
編集の方には聞いていたのですが、印刷の色の仕上がりが、どうも原画より暗くなってしまった・・・とのこと。
実際に見るとやはり、屋根などの色が沈んで黒っぽく、本当は洗濯物のある家の屋根はもっと赤いのですが・・・
逆に全体に黄色みが強くなってしまっていました。こちらが原画。

やはりこの辺、すべてデータ画像で処理する昨今、刷り上がりの色とのギャップの問題の解決は難しいようです。
それはさておき、著者河畠先生には、昨年秋の個展の折にわざわざお見え下さり、前作に引き続き今回も装画をお願いできないか・・・と、嬉しいお申し出を頂いたのでした。絵描き冥利に尽きることと喜んでお引き受けし、10枚の地図とともに、楽しい仕事をさせて頂きました。
あとがきにも嬉しいお言葉を頂き、心より感謝です。先生には今後もお元気で、ご活躍なさいますことをお祈りしています。
タイトルを読むと何だか難しそう?ですが、内容は至って読みやすく、町歩きの一助としても読めるもの。
そもそも福祉という活動が始まり、広がっていったのは、嘗ての貧民街とも言える片隅であえぐ人々の救済が原点。そんな場所を東京都内で丁寧に拾いながら歩きながら、歴史とともに紐解く一冊です。
渋谷、中野、小石川、本所、板橋・・・そんな町まちに、地味ではあるけれど福祉の歴史の足跡が確かにあるのです。私の描く場末の町の、ささやかな佇まいともそれは重なって読めるのです。
是非、書店でお手にとってご覧になって頂ければと思います。



6月17日追記:画像右 BARBER 予約済となりました。
ありがとうございます。
皆様お早めにどうぞ!
突然ですが、今年のnidoコラボ作品のネット限定先行販売!のお知らせです。
話せば長くなるのですが、成田市にありますアンティーク+ギャラリー「LA BOTTEGA」さん。
昨年のnidoコラボ展終了後に、新作10点の受注を頂いていました。
オーナーの藤崎さんは古喫茶店がお好きで、古い建物の造詣も深い方。
打ち合わせをじっくりしてから、制作に入り、今年の初めには作品が出来上がりました。
当初成田のギャラリーでの展示を予定していましたが、諸事情により、
本年9月26日~10月1日の予定で、銀座奥野ビル内 江原画廊さんにて、
アンティーク雑貨と共に展示販売という運びになりました。
私とnidoのコラボ作品新作が並ぶ予定です。
ですがその前に、現物を見なくてもいいので作品が欲しい・・・という方のために、
新作3点(画像)を含めた4点を先行販売するそうです。
そして、お値段もこの4点に限り、秋の展示よりもお得な価格とのこと。
(1万円台後半~2万円台)
是非、いつも買い逃している方、お早めにどうぞ。。。
詳細は LA BOTTEGAさんHP内のブログ→こちら
(サイズなどは後日こちら↑に出します。この画像よりも透過したステンドガラスの色がきれいに見えています)
*尚、HPサイトは7月~8月中旬工事のため休止するそうですので、ご注意!
今月中にどうぞ!
また、ご予約やご連絡は先行販売専用アドレス
naop72★yahoo.co.jp
(★を@に替えて下さい)までお問い合わせ下さい。
今年のnidoコラボ作品は、今回のネットと江原画廊での展示でのみ販売されますので、
是非ご期待下さい!残りの新作もとても良い仕上がりです~。
よろしくお願いします。

前回、クレーよりモンドリアンに近い、と書いたので、ちょっとその辺のことを。。。
(長いので、興味の無い方はスルーして下さいませね~。)
初めてモンドリアン絵画を知ったのは中学生の時で、当時配布された美術のテキストのひとつに「美術 表現と技法」(日本文教出版)というのがあり、その中の抽象絵画の解説のところに彼の画が載っていたのだった。
そこには彼の3枚の作品・・・「赤い樹」「灰色の樹」「花咲くりんごの樹」が並べられ、具象から抽象へと移り変わっていったプロセスが紹介されていた。
その3枚ともが、非常に印象深く、またその抽象化の過程にも強く惹かれた。
印刷物ではあるが、その絵肌の厚みや筆遣いも深く心に刻まれたのだった。
今でもこのテキストだけは、ボロボロだが大事に持っている(画面左)。
その後1987年に西武美術館、88年にBunkamuraザ・ミュージアムで大きな展覧があり、両方とも見ることができた。今でもその時のチラシなどを大切に保管している。特にBunkamuraのほうは、彼の作品を見る最後の機会となるというので(以後は海外に作品を出さないことになったそうである)、じっくり観た。当時もそんなにも人気があったわけでもなく、でも私にとってはあの三枚の樹の画が並んで展示されたので、本当に目に灼きつける想いで長い時間観ていたのを覚えている。

国立近代美術館@竹橋で始まったクレーの展示に行って来た。
会期が長い(~7/31)のだが、またテレビでやったりすると混雑するので、早めにと思っていたのだ。
以前から(作品が)「クレーに似ていますね」と言われることが度々あり、でも正直なところ全く頭になく、画集も大して見たこともなければ実物もなくてここまで来てしまった。で、今回かなり大きな展覧なので、これは見ておかねばなぁと思っていたのだった。
それにしても出品点数が思いの外多かったが、素描系もかなり多くメリハリのある展示ではあった。
油彩のものがやはり私としては見ごたえがあったが、意外にも面白かったのが、クレー自身が写したアトリエの写真の数々。これがなかなか格好良く、その演出された空間が作者らしくて素敵だった。
今回の展示はクレーの画の作り方のプロセスにも切り込むという、興味深い企画でもあったが、こちらは私としてはやや掘り下げの足りない感があったなー。かなり期待していたのだが、多分実作する人ではないキュレーターが解説しているのだろうから仕方ないか。。。
しかし、何といってもこれだけの点数のものを見られる機会はそう無いだろう。
やはり実物は作者の息遣い筆遣い・・・が直に伝わってくる。
見終わって結構疲れたが、実際にマチエールまで見ることが出来たのは非常に良かったことであった。
うーん、でもやっぱり根本的な方向性は、ワタシとはあんまり似てない気がします。
(それは、大画家と比較するとかいうレベルでは勿論なくて、たまに「似てる」と言われることに対して。
やはりモンドリアンのほうに自分の重なる部分が多いかも。。。)
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