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N的画譚

N町在住、陋巷の名も無き建築物を描くneonによる、日日の作画帖です。
装画を描かせて頂いた本が出ました













「裏町エレジー」の続きをアップしようと思っていたら、年明けに装画(表紙の画)と文中の地図を描かせて頂いた書籍が出版社から送られて来たので、紹介させて頂きます。


*河畠 修著
『福祉の近代史を歩く』 東京・大正~昭和
日本エディタースクール出版部


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当初4月ごろの刊行予定だったのが、震災などの影響で遅れたようです。

編集の方には聞いていたのですが、印刷の色の仕上がりが、どうも原画より暗くなってしまった・・・とのこと。
実際に見るとやはり、屋根などの色が沈んで黒っぽく、本当は洗濯物のある家の屋根はもっと赤いのですが・・・
逆に全体に黄色みが強くなってしまっていました。こちらが原画。

hukushi2116.jpg

やはりこの辺、すべてデータ画像で処理する昨今、刷り上がりの色とのギャップの問題の解決は難しいようです。

それはさておき、著者河畠先生には、昨年秋の個展の折にわざわざお見え下さり、前作に引き続き今回も装画をお願いできないか・・・と、嬉しいお申し出を頂いたのでした。絵描き冥利に尽きることと喜んでお引き受けし、10枚の地図とともに、楽しい仕事をさせて頂きました。
あとがきにも嬉しいお言葉を頂き、心より感謝です。先生には今後もお元気で、ご活躍なさいますことをお祈りしています。

タイトルを読むと何だか難しそう?ですが、内容は至って読みやすく、町歩きの一助としても読めるもの。
そもそも福祉という活動が始まり、広がっていったのは、嘗ての貧民街とも言える片隅であえぐ人々の救済が原点。そんな場所を東京都内で丁寧に拾いながら歩きながら、歴史とともに紐解く一冊です。
渋谷、中野、小石川、本所、板橋・・・そんな町まちに、地味ではあるけれど福祉の歴史の足跡が確かにあるのです。私の描く場末の町の、ささやかな佇まいともそれは重なって読めるのです。

是非、書店でお手にとってご覧になって頂ければと思います。


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