夕刻、六時をまわってから谷中の坂を上ってみた。
早い夏の夕方の、薄ら明かりの残る空は好いものだ。
ストイックな魂を持った画家たちの作品のことを思い浮かべながら、
あまりにそれとかけ離れたような昨今の周囲の状況を一体何だろうかと思う。
ツイッターもフェイスブックもラインも何もやっていない私は
時代に置いて行かれているのかもしれないが、周囲を眺めていると
たとえ孤独でも閉ざされているほうが寧ろ居心地が好く楽で、不必要なことで惑わされることがずっと少ないように思う。
ほんの数人だが決して裏切ることのない友人、私にとってその数人は掛替えなく大事な存在であるが、
それ以上に沢山の、見せかけだけの危ういつながりなどはもう要らないとさえ思う。
内輪だけの盛り上がりや気休めの虚しいこと。
そんなものは何も生み出さないし、自分の姿を見失って行くだけに見える。
この歳になってどんどん厭世的になり厭人癖が強まって
偏狭な老人になってゆくと思われるのかな。
まあそれでもいいか。
余計なことに煩わされている時間も余裕も、実は無いことに
日々気付かされているのだから。
やるべきことは、やりきれないほどあるのだから。
スポンサーサイト
| HOME |