N的画譚

N町在住、陋巷の名も無き建築物を描くneonによる、日日の作画帖です。
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--/--/--(--) --:--:-- | スポンサー広告 | Trackback(-) | Comment(-)
陋巷の灰ピンク












陋巷のすがれた町を歩いていると、時々現れるのが
こうしたモルタルのピンク色の外壁だ。
この色がとても好きである。

こういった町の建物を描く時には、私は
形状はかなりデフォルメしたとしても、色にはそれなりに
気を配る。やはり、巷にはよくある色とそうでない色とがある。
形をそのままに描かなくても、色の組み合わせで
何となく場末の色感というのは出せるのではないかと思ったりする。

その中で、このピンク色を自分の中でだけ<灰ピンク>と
呼んでいる。私の気に入っているアクリル絵の具のとあるピンクに
グレーを足すと、ちょうどこんな色になるのである。
やはり、私の好きな町は根底にグレーなものを抱えているのだろうか。

モルタルの質感は、色彩を粗く曖昧な雰囲気にするし、そこに
経年の染みや汚れが塗されると、もっと複雑で深みや翳りを纏ったものになる。
そしてこの<灰ピンク>は、それでもどこかに微かな色気と
ささやかな華を匂わせているのが惹かれる理由だろうかとも思う。

スポンサーサイト
Y町辺り












晩い秋、というよりもう冬の始まりのような日が続いて、空気が乾き
空が晴れれば閑と抜けて、風はぴりりとつめたくなる。
朝の空気の感じが、年の瀬も遠くないなと思わせるようになってきた。

こうした季節になるとすっかり枯れ切ったようなY町を歩くのは
とても心やすらぐ行為で、それは周囲と自分が同化するようにも思えるからだろうか。
毎年決まってこの季節にこの界隈に来るようになって何年か経つが、
覚えている道や建物もあれば、記憶に無いものもあって
だから町を歩くのはやめられないのだと思う。

先日はこの町角にふとぶちあたって、撮ってみたが
自分的には随分と絵画的な(笑)印象であったのだ。
普通の人にとっては何処にも絵画的要素など見当たらない、ありきたりの
愛想の無い建物に違いないが、抜けるような蒼い空に
モルタルの汚れた側面のスリートンカラー、そして
斜めに落ちた陰影がとても印象的で惹かれた。

ベン・ニコルソンの絵画が好きでたまらないが、あんな
無駄のない美しい造形が、此処から画面に立ち上がってくるような
そんな気さえした。
実はそんな画を描きたいのだよねぇ、心から・・・。
nidoの本
IMG_1167 (2)












今回は私の大好きなアーティストの本のお知らせです。

以前から私の作品を観て下さっている方々にはお馴染みの、
コンテンポラリーガラス作家二人組のnido
その作品の素敵さに感動して、三度のコラボ展までして頂いたnido。

そのnidoの待望の書籍が発売になりました!

おしゃれなパリ風 自作ステンドグラス入門」というタイトル。
(世界文化社刊)オールカラー写真の美しい本です。

内容は、ステンドグラスを作ったことのない人にも大変解りやすい入門編と
nidoの作品集編に大きく分かれていますが、めくってみるだけでもとても楽しい本。

常に新しいものを生み出していくオリジナルな才能と
彼女たちの溢れるセンスにはいつも感心させられます。
そしてその作品たちの、暖かでちょっとノスタルジックな、でも
とても斬新でもある造形。ものを作る者にとっては憧れの存在でもあります。

私の部屋にも、幾つも彼女たちの作品がやさしい光を放っていてくれます。
是非この本のページをひらいて、nidoの世界の一端に触れてみて下さい。
そして是非、谷中の路地の奥の彼女たちの工房+ショップを訪れてみて下さい。
今はちょうど、nidoらしい、アンティークなフレームを活かした個性あふれるシャンデリア(!)が
幾つも新しくお目見えしています。是非に!


タイルと色硝子











少しずつ次の展示に向けて準備を始めている。

また全ての作品を描きおろすため、資料写真の整理から。。。
撮ったままプリントしていないものを紙焼きし、
小さな簡易アルバムに何冊もまとめていつでも参照できるようにしておく。
机上で、或いは出先でもちょっとぱらぱら捲れるように。

来年度は、私の出発点にもなった旧遊廓の
モダンで不思議な和洋mixのカフェー建築に絞って描くつもりだ。

そして、そこに欠かせないのがタイルと色硝子。
色硝子は、ステンドガラスと言ってもいいのだが、やはり私は
あの戦前の少し野暮ったい、光り方のやわらかいダイヤガラスには
色硝子という文字がぴったりするように思う。

豆タイルの写真も随分撮った。
その意匠の凝りよう、バリエーションは瞠目するばかりだ。
一体どんなタイル職人が、かつて全国にどれだけ居たのだろうか。

その宝石のようなものが散りばめられた建物たちは、
廓とか赤線とかいった生々しい要素をやわらげて、私たちを
暫し過去の夢の世界にいざなってくれるのだ。

新しいハコでの展示
IMG_0683 (2)










展示が終わってあっという間に一週間が過ぎました。
整理その他やらねばならないことは山積なのですが、通常の生活と並行して、となると
何だか展示後は少し気が緩むのか、思うようには進みません。

その中で、やっぱり印象が薄れないうちに、ギャラリーの新しい空間について
ちょっと記しておきたいと思いました。

銀座一丁目の細い階段を上った2~3階にあったギャラリーツープラスさんに
声をかけて頂いて初めて展示をしてから、もう5年以上の月日が経ちます。
その間企画の個展やグループ展で5回以上の展示があり、すっかり馴染みの空間になっていたのですが、
今年2月に日本橋に移られ、私もこの地下の空間に自分の画を並べるのは初めてで、
楽しみでもあり、ちょっとどきどきしていました。

今まで二つの階に分かれていたのがひとつの空間になり、ぐるりと見渡せるのは
なかなか気持ちの良いもので、かなり引きで画を見られるのも好い感じです。
地下なので窓はありませんが、潜れば非常に落ち着いた印象で、天井の低さも面白く
工夫次第で効果的に空間を使えるのではと思ったりしました。

今回は移転後初めてということもあり、場所を何度か下見してから画を描きおろしていったのですが、
今後はもう最初から或る程度壁面の感じを想定できるので、やりやすくなるでしょう。

ということで、来年も秋にはこの空間で画を並べたいと思っていますが
少し何か工夫をしてみたいなとも考えています。

どうぞまた次回もよろしくお願い致します。
Designed by aykm.
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。