
菱形置き構図の作品、新しいものに次々着手しています。
それでないととても、5月までに10枚(目標・・・)は描けないので。
その他に大き目のものも描きおろす予定ですし(汗)。
遠くまで足を運んで下さる方にも、残念な思いをさせないよう
心して取り組まないと、全て画には出てしまうのです。
今回の画像はかなり色が鮮やかですが、これから少しずつ
くすんで行きます。ですが、この建物は古いものにも拘わらず、
本当に目の覚めるようなブルーのタイルで覆われていました。
状態もかなり良くて、おそらくちゃんと手入れをなさっていたものと思われました。
今は既にこの建物はありませんが、その色の記憶だけが今もありありと
よみがえるのです。
細部もまた、愛おしいような色彩の豆タイルが宝石のように
ちりばめられていました。
この周辺の町を訪ねた数年前の冬の日、
誰も居ない路地にわずかに西日が当たって、とても印象深かったのを
忘れ難く想い出します。
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下塗りをある程度したら、段々にその上に色を重ねていきます。
アクリル絵の具で重ねながら、雰囲気を出したい所には
パステルをかけていきます。
パステルで暈けてしまった線や、クリアに出したい所などは
細いペンや硬い鉛筆などで描き起こします。
現実の風景とは異なる画面ですが、或る程度建物や
道路などの翳や明暗にも気を配りつつ、あとは感覚任せです。
こういうやり方は、全く誰に教わったのでもなくいい加減な
私のやり方なので、アカデミックな技法を習得している方々から見たら
てんで可笑しいものに違いないので、参照しないようにして下さい(笑)。
ごくたまに、「ブログを観ている」という知らない若い人が展示に来て、
「とても参考になります」などと(お世辞)言って下さったりするのですが、
試行錯誤ばかりのこんな徒手空拳なやり方(それでもこの10年くらいは
これを続けている・・・)は今でもこっパズカシイのです。
もっともっとプロっぽい(憧れ)描き方になって行きたい(笑)のですが・・・
謙遜なんかではなく、本当にそう思っているのです。
真面目です。

以前は線を描くのが物凄く好きな人間だった。
今でもそれは変わらないのだが、最近は色を塗る、その前に色を作る時点で
もうその作業がとても楽しいことに今さらながら気づいたりする。
画を描いてきた何十年かの間に、色々な経過があり
現在は色を作ると言っても主にアクリル絵の具のことだが、
ここ10年ほどは漸くその扱いにも少し慣れてきたのかもしれない。
と言ってもメディウムなどは全く使用しない単純なもの。
下塗りでも生の絵具をそのまま塗ることはほぼ無くて、
ややくすみを帯びた色合いを作って塗り始めるのだが、その下塗りの色を作るのに
いちいち感動しながら調合しているのである(笑)。
ちなみに今回、アクリルガッシュの和のシリーズ(これがまた大好きなのだ)の
憲法色(!)という焦茶色と、一斤染(いっこんぞめ)という淡いピンクと
あとわずかなグレー色を混ぜて作った色が美しくて、それだけでちょっと充たされる。
まあ阿呆かいなと思われるでしょうが、画が描ける喜びは、そんなところにもあるわけで・・・。

菱形置き構図の画、また新しいものに着手です。
この画は「カフェー建築」そのものを描いてはいませんが、
かつてこの町が脂粉にまみれたような歓楽街であった頃、数軒の
それっぽい建物が残っていました。
昼間通ってもかなりアブナイ雰囲気でしたが、数年前の浄化政策によって
一掃されて、ただの川沿いの間延びした町になっています。
それについてどうということは言いませんし
町というものは時代の流れで変わっていく代物です。
ただ、この町の細い通りには幾つものゲートがあって、
これを何度か描いているのですが、このゲートに
郷愁をそそられるという人が案外多いのです。
面白いことだと思います。
異界に踏み込むような幻惑があるのだろうと思うのですが、
もうすべて無くなってしまった今では、画の中で静かに点っている・・・
のが、切なく惹かれてしまう理由なのかもしれないですね。

新しい年となりました。
旧年中はありがとうございました。
今年も真摯な気持で精進したいと思っておりますので
どうぞよろしくお願い致します。
さて、本年は初めての試みとして、東京を出て
5月末に京都で展示をする予定です。
(秋には例年通り都内でも致します)
少しずつその内容をブログにてお知らせしていきますので
是非ご興味ある方はチェックして下さいませ。
場所は この画像の美しい色硝子の意匠を持つ此処で・・・。
どうぞご期待下さい!
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