
陋巷画日記、<墨東篇>連続でいきます。
十代の頃から永井荷風の「墨東綺譚(正しくはボクの字はさんずいが付く)」が好きだった、カワリモノの私であるが、前回の鳩の町のように纏綿と花街の情緒の遺る雰囲気だけが墨東の魅力であるとは、到底言えない風景に今回も幾度も出くわした。
そのひとつが今回の町工場の風景だ。
鳩の町から玉ノ井に向かう頃になったら陽ざしがすっかり翳り、辺りは暗くなる一方。墨田のたぬき湯という銭湯を目指していたら、この工場が忽と薄暗がりに現れた。
かたちは非常にシンプルで、全面トタンの継ぎ接ぎ(ほぼ8割はブルー)。そしてところどころひび割れた窓ガラス。そこからは中の電球の光も漏れる。そしてその屋根の頂には、何とも力強い太い煙突が。思わず言葉をなくすほど心打たれてしまった。
このあたりには中小の工場がひしめき、寡黙な職人たちが暗い中で黙々と働く姿が垣間見える。そうした姿は何故かとても力強いのだ。声なき労働歌を聴く想いがする。
そんな骨太の叙情を、この町は低音で奏で続けている。
≪この記事へのコメント≫
>此処はご案内いただいた中でも、ピカイチの素晴らしい物件でした。余計なものが無く、シンプルで完全にそのまま画になるんです。景色自体が洗練されているというか。
ブルートタンも目に沁みる青さでしたから、いつか必ず色つきで描きますよ。
それにしても、ごんぶとでしたねぇ~この煙突。汚れてもいましたけど、惚れ惚れするような迫力でしたよ。
ブルートタンも目に沁みる青さでしたから、いつか必ず色つきで描きますよ。
それにしても、ごんぶとでしたねぇ~この煙突。汚れてもいましたけど、惚れ惚れするような迫力でしたよ。
あの工場ですね。
ブッとい煙突、ところどころ割れている窓ガラス、グチャグチャに絡み合った電線……う~ん、何もかも実物以上に“陋巷ぶり”が描写されていて、感動します。
いつか彩色して下さい!
何を今さら、と指摘されそうですが、写真はしょせん、目で見たアングル以外のものは表現できないんですね~。
うんうん、あの工場はこんな感じだったよ!と思いつつも、実際には手前に民家が建ち並んでいるため、こういう写真は絶対に撮れませんもんね。
写真家ならそこを何とかするのでしょうが、素人では、脳内イメージを写真で表現することはなかなか出来ません。
ブッとい煙突、ところどころ割れている窓ガラス、グチャグチャに絡み合った電線……う~ん、何もかも実物以上に“陋巷ぶり”が描写されていて、感動します。
いつか彩色して下さい!
何を今さら、と指摘されそうですが、写真はしょせん、目で見たアングル以外のものは表現できないんですね~。
うんうん、あの工場はこんな感じだったよ!と思いつつも、実際には手前に民家が建ち並んでいるため、こういう写真は絶対に撮れませんもんね。
写真家ならそこを何とかするのでしょうが、素人では、脳内イメージを写真で表現することはなかなか出来ません。
>はい、電線もこういう画には大変素敵な要素となってくれます。情緒が醸し出されると言うか。。。
夕景+電線はワタシも好きです。あまりにキマリすぎて野暮にならないかと危惧することもありますが、色や構図を工夫しますと、野暮ったくなくなることも(たまに・・・)ありますね。
夕景+電線はワタシも好きです。あまりにキマリすぎて野暮にならないかと危惧することもありますが、色や構図を工夫しますと、野暮ったくなくなることも(たまに・・・)ありますね。
やはり太い煙突が印象的です、こうした物を撮るとき電線は邪魔だと思っていましたが、電線も主役になれそう、ここまで来たら欲張ってバックは夕日ですかね、そこまで行ったら映画の宣伝画になってしまいますね、でも夕景が似合いそうですね。
>とても素晴らしいブルートタンだったのですが、寡黙な工場の感じを出したいと思って、今回は彩色しませんでした。色をつけると、リズミカルな感じになりそうです。
閉鎖工場は淋しいですね。この辺りは、全盛期に比べたらずっと寂しくなったのでしょうが、まだ頑張っている感じもあって、心の中で応援したくなります。
閉鎖工場は淋しいですね。この辺りは、全盛期に比べたらずっと寂しくなったのでしょうが、まだ頑張っている感じもあって、心の中で応援したくなります。
とたんの町工場。色がついてない分、よけいに哀愁をそそります。
このそばを通るだけでも楽しそう。
こちらは、こんな感じの町工場は、すべて閉鎖されていっているので、寂しい限りです。
このそばを通るだけでも楽しそう。
こちらは、こんな感じの町工場は、すべて閉鎖されていっているので、寂しい限りです。
2007/11/11(日) 19:16:14 | URL | Porco rosso #-[ 編集]
勿論「町工場」はマチコウバです。
この工場は、単純に形のシンプルさもとても好きでした。
墨東を支えているのはやっぱり町工場だと感じましたよ。写真迷わずアップしなはれ~。
この工場は、単純に形のシンプルさもとても好きでした。
墨東を支えているのはやっぱり町工場だと感じましたよ。写真迷わずアップしなはれ~。
こんな立派な工場だけでなく小さな町工場(「こうじょう」ではなく「こうば」と読んで下さい)も沢山ありましたね。
工場をアップしようか迷っていたのですが、矢張りしようかな
工場をアップしようか迷っていたのですが、矢張りしようかな
| HOME |