N的画譚

N町在住、陋巷の名も無き建築物を描くneonによる、日日の作画帖です。
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感傷旅景 1













列車に揺られながら少しずつ日常の世界から逸脱してゆく自分を感じて、ほんの少し自分の何処かが透明になってゆくような気になるのは、いい歳をしてまだ私が感傷というものをどこかに引きずっているせいだろうか。何度も夢のなかに想い描きそして潰えていた残像でしかなかった町は、眼を上げると閑かに夏の日盛りのなかに思いの外活きいきとした色彩と匂いとを伴って現れ、これも私にとっては刹那の幻に過ぎないと言い聞かせながらも、昂ぶる気持ちを抑えられずに町の深みへその奥へ奥へと吸い込まれるように向かっていく。そして辿り着いた所には今まで見たことの無かった不思議な造作の建物がてきれきと白昼の夏日に照らされながら顕ちあらわれ、どっぷりと深い闇を湛えながらも静かに私を圧倒する。

そして町のはずれの小さく坂になっている日陰の小径を、ゆっくりと上ってゆく老女の藤色の日傘、その背中のなだらかな曲がり具合を見送りながら、ささやかな段々にさしかかる辺りで振り向けば、一瞬、私は私の過去と未来に、いとも容易くすれ違うことができるのだった。
Comment
≪この記事へのコメント≫
CAZ様
>いつも大変想像を膨らませて下さり恐縮です。・・・2001年宇宙の旅ですか。すごいな~・・・ワタシの描く画+文章は非常に狭い世界のような気がしますが、その先には宇宙があるのか?!はたまた海か?これは作者の思惑を遥かに超える世界ですね~。
2009/08/03(月) 23:41:15 | URL | neon #Fos2lKYE[ 編集]
福た郎様
>ようこそおいで下さいました。

今回は珍しく推敲した文章でしたので、言及していただけて内心うれしく思っております。しかし、出だしだけで、つづかないのがなんともはや・・・ですが。。。
感傷、気恥ずかしい言葉ですがやはりいつまでも纏わりついて離れない気もします。一抹の感傷こそがワタシに画を描かせているのですねきっと。
2009/08/03(月) 23:34:27 | URL | neon #Fos2lKYE[ 編集]
真夏の狂気・・・誰もいない階段を登って、その先にあるゲート状のアーチを超えると、そこに突然紺碧の海。ふと、私は思った、私は、海に来たかったのか?とその瞬間、スタンリーキュービックの、2001年宇宙への旅の宇宙船に中にいた・・・・。
手前の影の部分と、奥の真っ白なコントラストが好きです。
2009/08/03(月) 23:05:15 | URL | CAZ #-[ 編集]
感傷的
毎日お暑うございます
いい歳をして感傷を…とは、滅相もない。このせちがらい世相の中で、感傷を引きずって生きられるなんて、素敵なことです。ふと吉原幸子の詩が脳裏に浮かびましたね。読んでいて、小説の書き出しのような感じが良かったです。
2009/08/03(月) 20:43:04 | URL | 福た郎 #-[ 編集]
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