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N的画譚

N町在住、陋巷の名も無き建築物を描くneonによる、日日の作画帖です。
至近のアパート② 雨の田毎荘













近所のアパートシリーズ。

これも徒歩3分以内の圏内にあるアパート。実はあの曙ハウスからもそう離れていない所にあるのだが、あまり気づかれず、カメラをぶら提げたブロガーの人々も、以外に見落としてしまう物件だ。
でも、ワタシはかなり好きで、この近所をよく通るせいもあるが、通るたびにああ今日も居たねぇと心の中で声をかける。廃屋らしいので、いつ解体されてもおかしくないのだ。

よくあるモルタルアパートで、角地に建っているためか、その角部分が削ぎ落とされたような形になっているのだけがちょっと変わっていると言えばそうだが、あとは何の変哲も無い。
だが、中央部分の樋が錆サビになっていて(ブリキ製なのか?)、その錆色が縦にひと筋、モルタル壁にまで染みて色が付いている。
向かって左側面の屋根伝いの樋は、途中で直角に折れ曲がって用を成していない。
「田毎荘」という名前も、立ち止まってその木片をよくよく見ないと読み取れない。

昭和30~40年代くらいの建物ではないかと思うが、もう御役御免のまま、でも今日も閑かに立っている。
「田毎」と言えば「田毎の月」を連想するが、その名前の由来も知る事も無い。

夜空に月とともに描いてもいいなと思ったけれど、今回はやっぱりあの湿気感を描きたくて、雨に包んでみた。
いつか満月とともに描いてあげるからね。
Comment
≪この記事へのコメント≫
CAZ様
>いつもながらCAZさんの想像力には吃驚いたしますです。でも、感覚的に何と無くああ、あの感じかな~というのはありますよ。
春先、木の芽時というのは何だか人をルナティックにさせるものがあるのです。

今日は先週に比べたらもう春のように暖かくて、とてもうれしいのですが、卒業や別れの季節でもある3月頃の空気感を想いだして、切なくもなりますね。
2010/02/20(土) 15:28:19 | URL | neon #Fos2lKYE[ 編集]
今日は、少しだけ、変な文章になりますが、すみません。先ほど家路をゆっくり歩きながら、周りを見ながら・・・いつものことなのですが・・・・・

2月のこの頃、梅の季節、家路につく途中、家々の庭に咲く梅ノ木から漏れくる梅の香。少し暖かくなろうとしている夜、なにか胸がキューっとなる感情。もうすぐ春がきて暖かくなるのはわかっていても、今の、少し肌寒いこの季の夜道、朧月夜の歌が蘇る。それとともに、野菊の墓の民さんをイメージする。なにとも、1年でこの時期だけ妙に、異次元空間に誘われる。時をかける少女がラベンダーであったように、梅と沈丁花の香りが、タイムトラベルの起爆剤となる。




2010/02/19(金) 23:34:04 | URL | CAZ #-[ 編集]
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