N的画譚

N町在住、陋巷の名も無き建築物を描くneonによる、日日の作画帖です。
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昼月の町


リクエスト頂いていたのに、5月中にこの画をアップする筈が、大変遅れました。漸くお目見え。。
これは2000年の個展出品作。モデルになったのは横浜の悪所、日ノ出町界隈。「ピアニシモ」の最近作からしたら、かなり「暗くて退廃的」印象もあるかと思うが、人間、やさしく温かいところばかりではありません。こんな暗さ(昏さ、とも書いたりする)も確かに私のなかの要素である。かなりやさぐれております。
横浜の生まれ育ちの私にとって、幼い頃出会った「裏横浜」とも言うべき、野毛、曙町、桜木町のガード下、日ノ出町黄金町、寿町などの町は、やはり忌むべきものとして映った。野毛には動物園があって、ときたまその界隈を通ったが、午前中から酒臭く、薄汚れていて嫌だった。しかし二十歳過ぎた頃、たまたま桜木町の画材店に行こうとしてガード下を歩いていた時、かつて嫌だったその界隈に、何某か惹かれるものを感じている自分に気が付いた。一方でどんどん綺麗になっていくみなとみらい地区に失われかき消されていったものが、「裏地区」には濃厚に残っていた。
90年代の黄金町も、まだ法の目をくぐってあやしげな建物が京急のガード下に軒を連ね、昼間でもかなり湿った雰囲気が充満していた。遊廓あとと思しき建物がぽつりぽつりとガード下に残っていたが、もう既になくなったと聞く。そして、現在は黄金町浄化計画が地元の方々によってかなり進められている。
勿論こうした町に私が「馴染んだ」わけではないのだが、やはり昭和30年代最後年の生まれとしては、かつての面影の残る町は、たとえ悪所であろうと惹かれる気持ちはどうしようもない。それで、こうした町の推移を見に、ひっそりと、独りで、目立たぬように、新興の小綺麗な町には背を向けて、やさぐれ心を宿しつつ時には出かけるのである。
Comment
≪この記事へのコメント≫
norizoさん
>そうですか、また味わいが変わるのですかね?でも、似たようなことを言われたことがありまして、毎日のように眺めていると、何だか見る側も同化してくるという話です。う~ん、でも、この画のなかに入ったら、出てこられなくなってしまいそうですね。作者でも、そうなると、どうにもできませんので、お気を付けて。。。(笑)
2006/07/06(木) 09:26:24 | URL | neon #Fos2lKYE[ 編集]
6年になります
この作品が家に来て6年。
哀しさに惹かれ我が物にしたのですが
この処ロマンチックさが出て来たようです。

絵画も生きものなのだろうか?
熟しつつあるのでしょうか?

乱歩の小説の様に
いつかこの中に入ってしまうのではないかと
……。

ところで(笑)銀座には土曜に行くつもり。
2006/07/05(水) 22:40:32 | URL | norizo #-[ 編集]
norizoさん
>コメントありがとうございました。そうおっしゃっていましたよねえ。たしかにあの頃の画は、暗く激しいものをそう言うタッチで描いていましたからね~。描いているほうは、昨今のCMではありませんが、自分の中の暗部を放出してしまうと、かえって充足するところがありましたけどね。
私もあの時が「見知らぬ人が自分の画を買ってくれた」最初でしたからねえ。。。
2006/06/24(土) 10:01:49 | URL | neon #Fos2lKYE[ 編集]
きっと『不幸な人』だと
この作品を観たとき思いました。2000年のゴールデンウィークの東銀座の昭和通りに面した狭い階段を上がった低い天井のギャラリーで。
それが結婚してるわ、お子さんが二人もいるわ。
(このブログでも男性と思われていた方がおられましたが)
それはともかく
わたしはその時に生涯初めて「買いたい絵」に出逢ったのであります。
2006/06/24(土) 01:29:08 | URL | norizo #-[ 編集]
お、妾番長さん
>この画をアップしながら、「おいで下さるかな~」とひそかに思ってましたです。横浜を描いた何枚かは、かなりこういうタッチのがありますよ。
現地は、ここのところご無沙汰ですが、遅いということはないと思います。ただ、地元の(いわゆるフツーの)商店の方+警察は、浄化をかなり精力的に行っているようですから、往時の濃厚さは既に薄らいでいるとは思います。「目立たぬよう、ひっそり」とやさぐれに行ってみて下さい。(結構お似合いな気がする。。。)
2006/06/15(木) 08:55:12 | URL | neon #Fos2lKYE[ 編集]
やさぐれ系の妾番長です。
やはり僕はこの手の雰囲気に癒されるたちです。
残念ながら現地には、行った事がないのですが、今更行っても遅いですかねぇ。
2006/06/14(水) 23:46:54 | URL | 妾番長 #-[ 編集]
GG-1さん
>お、いらっしゃったことがおありで。。。下手するとあの辺は、カメラ取られる危険がありますから、お気を付けて。私が行った時も、異国の瞳がちらちらこちらを伺っていました。
建物的には、ガード下の住まいというものには、ここだけでなく他の所も惹かれるのですが、何といってもこの地帯は暗澹としたものがあります。画の左上の建物は、廃墟然としていましたけれど、とても心惹かれる感じでした。
2006/06/14(水) 21:43:59 | URL | neon #Fos2lKYE[ 編集]
お、今日は固ゆでneonさんでしたか
「ハードボイドドだど」とい言うフレーズが頭をよぎりました(格調壊して失礼)
ハードかどうかは良く判りませんが、この辺はダークな街でしたね。
女性に言うのもナンですが、ひと頃はたどたどしい日本語で袖引く方々がガード下に立っておりました。
写真を撮ろうと思いましたが、流石にチョイと怖くて撮っておりません。
あの暗さが人間の根源的な生命力を喚起してなかなか魅力的な街でした。
2006/06/14(水) 16:06:50 | URL | GG-1 #-[ 編集]
カークさん
>おいで下さり、ありがとうございます。ハマッ子には、こんな「裏横浜」への郷愁が皆どこかにあるかもしれません。・・・いや、私だけかな~?少なくとも、私の世代までは、ぎりぎり「闇の部分を孕んだ横浜」の面影を憶えているんだと思います。
石川町のあたりも、結構かつてはアブなかったですしね~。とまあ、今日はちょっとハードボイルド路線のneon母さんです~。
2006/06/13(火) 13:49:27 | URL | neon #Fos2lKYE[ 編集]
ぐらっときました
こんにちは、横浜がアップされるとお聞きし、早速きました。
京急のガード下でしょうか、この雰囲気はまさに裏横浜ですね。僕も何回かこの近くで写真を撮ってみましたが、現場写真の域を出られませんでした。
ますます続編にも期待です。

>新興の小綺麗な町には背を向けて、やさぐれ心を宿しつつ時には出かけるのである。
 このフレーズにぐっときました、ブルースが聞こえてきますよ。かっこいい。
2006/06/13(火) 12:33:23 | URL | カーク #zpbGWri6[ 編集]
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