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N的画譚

N町在住、陋巷の名も無き建築物を描くneonによる、日日の作画帖です。
緑の鋸屋根の工場











今回の展示のためのラストの小さな作品は、鋸屋根の工場。
工場と言えばこういう形を思い浮かべるのですが、
実際にはそんなに見たことが無い・・・というのが実のところではないかと思いますが、
歩いてみると都内にも幾つもあるのです。
この画は特に何処の、というわけではないのですが、
以前桐生に行った時にも沢山こういう形の工場を写真に撮っており、
それらを参考に、絵本の一頁のような画にしてみました。
サイズもF0と、今回の展示では一番小さいサイズです。

さて、10月になりました。
搬入も3日に控え、いよいよ金曜日5日初日です。↓

個展「町工場ジンタ」
よろしくお願いします。

machikouba-dm004.jpg


すでに5つのブログや連動するツイッター、facebookなどでご紹介下さいました皆様、
本当にありがとうございます。





さて、私の会期中の在廊予定ですが、おおよそ

平日 13:00~16:00
土日祝 13:00~17:00


を予定しています。ただ、多少前後することがあります。
また、やむをえず急に変更する場合もあります。
予めメールなどでお日にち、時間をご連絡頂ければ可能な限り在廊いたしますので、
是非よろしくお願いします。
当日画廊さんのほうにお電話頂ければ、その日の予定をお伝えできます。
よろしくお願い致します。
皆様のお越しをお待ちしております。


★「町工場ジンタ」というタイトルの件について一応書きました。
だらだらした文章なので、興味のおありの方だけどうぞ。↓
「町工場ジンタ」というタイトルについて・・・

町工場ジンタ・・・って何だろうとお思いになる方も多いでしょう。
このタイトルは付けるのを少し躊躇しましたが、自分の中では他の言葉で表現できなかったので、そのままにしました。

ジンタというのは、大正頃に現れた民間の楽隊で、後に広告・宣伝のために市中で通俗曲を演奏するようになったもので、私の中ではチンドン屋などとだぶります。その演奏していた曲を指すのにも使われ、これも私の中では「美しき天然」という、あの哀愁を帯びた音色の曲が響く世界なのです。
・・・非常に個人的な色合いではあります。

とにかく、ジンタと言って括られる世界への、故も無い郷愁がもともとあり、それが或る日工場の町とも言えるY町を歩いていた時にふと結びついたのでした。

それは可笑しな場所で、小さな町工場がぐるりと空き地を囲むように濫立して、各々の工場には大小の煙突や斜めを向いた臭突、排気筒、錆びたホッパーなどがくっついて、その様子が何だか調子っぱずれのリズムを編んでいるようでした。
また、違う或る町で、トタンで覆われた屋根の上に、また一つちっちゃな小屋のようなものを乗せた鉄工所に出会った時も、ちょっと可笑しな風体をした、でも愉しく或いは少しうら寂しい楽隊が通り過ぎていったような、そんな心持がしたのでした。
・・・個人的妄想に過ぎないわけですが・・・。

町工場を今年描くにあたって、なるべく多くの工場を取材したいと思い、昨年から随分都内と近郊のあちこちを歩いて廻りました。そして、出会う工場たちの魅力にぐいぐい惹かれてゆきました。
飾り気のないシンプルな形、剥き出しの素材感、金属などの色や匂い、煙、煙突、機械音。。。
とても一年では描ききれないほどの町工場に出会いました。

描く素材としての工場、というものには華がありません。それをどう魅力的に描くか。
時間を要しました。

そして、そういえばとふと思い出したのが、自分が小さい頃近所にあった鉄工所のことです。
そのトタンの建物、そしてそこで毎日上がっていた溶接の火花の色や、
積まれていた鉄材の感触、働いていた人達の様子が目に浮かびました。

自分のなかで、うまく説明はできないけれど何か郷愁のようなものが
呼び覚まされる感覚、その中で町工場とジンタが不思議に結びついたように思います。

まあ、だらだらと説明しても仕方ありません。
説明できないから画にするのですから。
言葉ではやはり表現しにくいです。(文章が下手だとも言えますが 汗)。
どうぞ、余計な観念は持たずにただ、画を見ていただければそれでいいと思っています。

「何で」と尋ねられた時の逃げ場に、この文章をしておきたいと思って
一応書き記しておきました。悪しからず。

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