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N的画譚

N町在住、陋巷の名も無き建築物を描くneonによる、日日の作画帖です。
島原遊廓の残り香③













京都きんせ旅館での展示まであと2カ月半。

中間点?のヤマ場を控えています(笑)が
何とか乗り切りたいところです。

前回の続きです。


1988年の夏、私は京都府下のある無人駅に降り立っていました。
詳細は、過去記事「京都断章」を参照のほど。

そこで出会った建物たちは、私のその後の画に大きく影響を及ぼしたのでした。

大正から昭和初期にかけての、不思議に和洋ミックスしたモダンな意匠、それは
遊廓という或る意味生々しい世界に足を踏み入れようとする者を幻惑するに充分な仕掛けでした。
そして、儚く浪漫的な一夜の夢を演出するのに・・・。

しかし、その時私の目の前にあったのはそんな輝かしい姿ではなく、
町はとうに寂れて人影もなく、傷みのはげしい建物たちが時折ちらちらと過去の華やぎを
垣間見せている、そんな情景でした。

ですが、そんなたたずまいに私は心から惹かれてしまったのです。

それから90年代はそれをどう画に表現していくかで10年ほど試行錯誤が続きました。
2000年代になって漸く自分なりの形になって来たところで、少しずつ個展で作品を発表するようになりました。

2009年に「月刊美術」(12月号)という雑誌に掲載された画も、そんな画のひとつでした。(画像)

そしてそんな中で、きんせ旅館の、長く閉ざされて不意に現代に出現した空間に出会った時、
私が惹かれた世界に近似するものを感じて、安らぐような想いさえしたのでした。

(つづく)

Comment
≪この記事へのコメント≫
caz様
>京都の市内からはちょっと離れますので、自転車はもしかしたら大変かも・・・

町自体は小さいので、歩いてもすぐ一回りできます。建物はもう随分無くなりました。。
2014/03/12(水) 11:37:47 | URL | neon #Fos2lKYE[ 編集]
京都断章、じかい京都を訪れる際には、是非とも行ってみたいと思います。自転車を輪行して、ゆっくりと自転車で散策してみたいと思います。
2014/03/11(火) 22:49:44 | URL | caz #-[ 編集]
鍵コメントさま
>ありがとうございます。
こちらこそ、楽しみにお待ちしております!

また、情報をありがとうございました。
まだそのままなのですね。
これは是非見ておきたいです。

今はこうやってネットで色々検索できるようになって、私など隔世の感があります・・(笑)。
2014/03/11(火) 10:35:03 | URL | neon #Fos2lKYE[ 編集]
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2014/03/10(月) 23:16:12 | | #[ 編集]
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2014/03/10(月) 22:58:50 | | #[ 編集]
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