
JR鶴見線の「国道」駅から降りて少し歩いた鶴見川河口のところに、嘗てずらりと平屋の襤褸バラックが並んでいた。以前はこの辺りは漁業に従事している家がほとんどで、今でも通りには魚屋が多い。貝の店が目に付くから、嘗てはは随分採れたのだろう。
20年前、この近くに半年ほど住んでいたことがあるのだが、当時の眺めを想い出すと、本当に時代を間違えたかのような錯覚を覚えるほど、何とも寂れた、しかしなつかしい気持ちになる。
私が幼かった昭和40年代には、まだまだ周囲に「貧しさ」の匂いがあり、そしてそれが普通のことだったように思う。着る服はおさがりだったし、穴があけば繕う。卵が足りないから隣の家に1個借りに行く、なんていうこともあった。
このバラック街も、2年前にすべて取り払われて、今はまっさらなコンクリートの遊歩道ができている。あの、翳りを抱えた襤褸小屋たちと引き替えに、一体何を得たのだろうと、影ひとつ無い、溢れんばかりの秋陽のなかでふと想う。
[河口のバラック] 13×27cm 2004
麻紙ボードにジェッソ、アクリルガッシュ、パステル、色鉛筆、ミリペン
≪この記事へのコメント≫
>カークさん
そうそう、彼処です、おばあさんも通りましたが、カメラを持った好い表情の「元少年」約二名も座っていらっしゃいました~。
「幻の光」と共に、新藤兼人監督の「どぶ」という古い映画は、この辺りが舞台になっています。こちらのほうはかなり迫力モノです。若かりし宇野重吉が好いですよ。
そうそう、彼処です、おばあさんも通りましたが、カメラを持った好い表情の「元少年」約二名も座っていらっしゃいました~。
「幻の光」と共に、新藤兼人監督の「どぶ」という古い映画は、この辺りが舞台になっています。こちらのほうはかなり迫力モノです。若かりし宇野重吉が好いですよ。
あ~、あそこですね、すっかり変わっていましたね。
コンクリートの護岸を老犬に連れられたおばあさんが
いまでも目に焼き付いています。
是枝裕和監督の「幻の光」を見なくてはなりません。
コンクリートの護岸を老犬に連れられたおばあさんが
いまでも目に焼き付いています。
是枝裕和監督の「幻の光」を見なくてはなりません。
>yukiりんさん
今晩は~。長男には背も足サイズも越されましたneonです~。
いえいえワタシのバアイ、愛と言っても「偏
or変愛」でございまして。。。画はいざ知らず、作者のほうは「優しさ」「あたたかさ」とはほど遠いガサガサした心の持ち主でして。。。画はそう言う意味では「こうありたい」姿かな~。
今晩は~。長男には背も足サイズも越されましたneonです~。
いえいえワタシのバアイ、愛と言っても「偏
or変愛」でございまして。。。画はいざ知らず、作者のほうは「優しさ」「あたたかさ」とはほど遠いガサガサした心の持ち主でして。。。画はそう言う意味では「こうありたい」姿かな~。
>tittiさん
はい、勿論tittiさんと同様、ブリキ=トタン系には痺れてしまうワタクシです。そうそう、白っぽくなったのも微妙に好いですよね~。勿論煙突も大っスキです。ちょっと先端が煤けているようなの・・・堪りませんね~!
はい、勿論tittiさんと同様、ブリキ=トタン系には痺れてしまうワタクシです。そうそう、白っぽくなったのも微妙に好いですよね~。勿論煙突も大っスキです。ちょっと先端が煤けているようなの・・・堪りませんね~!
銀ねずみさん同様に私も「愛」の感じを受けました。あと「優しさ」とか「あたたかさ」という言葉も思い浮かべました。
neonさんだけが描ける世界ですよね。素敵です。
neonさんだけが描ける世界ですよね。素敵です。
青色トタン、いいですね。結構多いですよね。
特に白っぽく粉を拭いたような色が好きです。
ブリキの煙突もいいなぁ。
特に白っぽく粉を拭いたような色が好きです。
ブリキの煙突もいいなぁ。
>銀ねずみさん
とても嬉しいです。画の出来はともかく、想いだけはどうしようもなく溢れてきますもので。。。ま、歪んだ「偏愛」ですけどね~。
描くときはやはりブルートタンの色を「決め色」にすることが多いので、寒色系がメインになってしまうようです。でもパステルを乗せると、寒色でもほんわり見えるんですよ。
とても嬉しいです。画の出来はともかく、想いだけはどうしようもなく溢れてきますもので。。。ま、歪んだ「偏愛」ですけどね~。
描くときはやはりブルートタンの色を「決め色」にすることが多いので、寒色系がメインになってしまうようです。でもパステルを乗せると、寒色でもほんわり見えるんですよ。
neonさんが描かれるトタンの建物の絵の色は寒色系が中心ですが、私には何とも言えない温かさが伝わってきます。今回の作品へのコメントから、これら無名の建物たちとそれらを取り巻いた時代への強い思いが根底にあるのだなー、と感じました。
以上、勝手な感想ですみません。
以上、勝手な感想ですみません。
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